川内村観光協会

これ、なんだ?(虫こぶ)

1309虫こぶ

葉っぱについたこの物体、いったいなんだとお思いですか?
これ、ぬるでの葉っぱについた虫こぶです。

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この虫こぶの中には、アブラムシの卵が入っています。アブラムシは、この虫こぶの中で卵から幼虫となり、すくすくと成長し、幼虫になってから外に出てきます。アブラムシの子どもにとって、なんとも住み心地のいい住処なのです。
この虫こぶの中にいる限り、外敵からは身を守れます。そして虫こぶの中には幼虫になるまでの食料まで保管されています。冬眠といわずなんといいましょう、冬育とでもいうのでしょうか(そんなことばはありません。念のため)。春まで虫こぶで生活するアブラムシ、数ある昆虫の中でも、なかなか賢いヤツだといえるでしょう。

ワラビの大群落

1309ワラビ

このあたり、見渡す限り、ワラビです。これはなかなか壮観です。

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ワラビは、ヤブのない、日当たりのいいきれいなところに出てきます。こういう環境だと、ワラビはどんどん増えて大きな群落を作るものなのですが、この群落はそれにしても見事なのです。

1309ワラビ

凍結警報機器?

1309凍結注意の看板

こんな標識、みつけました。どんなしかけになってるんだろう? 動作するところを見てみたいような、そんな時分にここにいるのがこわいような。うーむ、です。

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ここは大鷹鳥谷山といいます。おおたかどややま、と読むんですが、ここには日本に2ヶ所しかないものがあります。電波時計のアンテナです。川内村と田村市都路の境の山ですから、川内村だけの、といばれないのが残念なりですが、電波時計のお持ちの方で、東日本にいらっしゃる方は、その時計を正確に合わせている電波は、川内村から飛んできてるんだと覚えておいてくださいね。
さてこの看板です。村中、あっちこっちを歩いていますが、こんな標識は初めて見ました。「赤色時凍結注意」とあります。はて、このキカイ、道や周囲が凍ると、自動的に赤色のランプがつくんでしょうか? 凍ったりしてからじゃ遅いから、気温が氷点下近くになると警報を出すということでしょうか。
最新技術の電波時計のお膝元だけに、凡人には想像つかないような確信技術がつまっているのかもしれません。

山男参上(ナツハゼ)

1309ヤマオトコ

このあたりでは、この実のことをヤマオトコ、なんていいます。このあたりの人は、この実の正式名称を多分知らないのではないかと思いますが、実はナツハゼといいます。ブルーベリーやレッドベリーなどのベリー系の仲間です。
しかしまた、なんでハゼなんていうんでしょう? ハゼといったら、海の魚です。山を流れる川の魚の名前がつくならともかく、ヤマオトコは山の中にかわいい実をつけているのです。ヤマオトコのほうがぴったりの名前だと、わたしは思うのであります。

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ヤマオトコは、山の頂上付近に生えていることが多い植物です。なので秋に山登りをする人は、この実を食べて登山の疲れを癒しました。ヤマオトコという名は、こういう理由があったからだと思います。
ナツハゼという名前は、わたしの苦手なインターネットを調べると「夏にハゼノキのような紅葉を見せるから」ということらしく、海のハゼとは関係ないような感じなのですが、それでもわたしはヤマオトコのほうが名前としてはステキだと思います。
そういえば、川内村で食品の放射能検査が始まった頃、ヤマオトコを検査に持ってきた人がいました。検査官も村人なので、なんの不思議もなく検査をして(数量がどれほど出たのかは失念しました)村の広報誌にも「山男」として掲載されたのですが、広報誌はいまやインターネットで村人以外の人も見ることができるので、いったいこれはなにを測ったのだとひそかに話題になったことがあるそうです。インターネットの世界は、不思議です。

みかんの花が咲いてない(アンズタケ)

1309アンズタケ

アンズタケの登場です。ヨーロッパでは、日本のマツタケみたいに扱われている価値のあるキノコです。なにがマツタケみたいというと、その香りが肝であることと、お高いことでしょうか。でもわたしはまだ食べたことがありません。

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食べたことがない、なんて書くと、ほんとはおっかなくて食べられないんじゃないか、なんて思う人がいるみたいですが、食べたいんだけど、どうも食べる分だけ見つけられないんで、そっと見るだけにしてあるんです。わたしの目が悪いのか、いやいや、ことキノコにかんしては、わたしより目がいい人間なんぞはそうそういないはずですが、それでもなかなか見つからない。一本二本くらいだと煮炊きしてもなんだかわかんなくなっちゃいますから、食べるならもうちょっとまとまった量がほしいところですけど、そんな幸運には巡り合えません。
このアンズタケ、アンズのようなお味がするそうですが、ミカンのような香りでもあります。山の中でミカンの香りがしてきたら、近くにアンズタケがひそんでいるのかもしれません。

1309アンズタケ

上川内小安川

ヨーロッパでは日本のマツタケのように扱われているキノコ

ミカンの匂いのするキノコ

ミカンのようなあんずのような香りがする

つららか虫か、イヌシデだ!

1309イヌシデ

「変わった虫がぶら下がってる! ありゃなんだ?」と通報を受けたので、飛んでいってみました。最近、あれはなんだ、これは食えるのかというお問い合わせをいただくようになりました。頼りにしていただいて、ありがたいことです。
しかしこれ、虫ではありませんでした。通報を無視したわけではありません。

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これ、イヌシデであります。虫に見えたのは、このイヌシデの実なんですね。イヌシデは花も上から垂れ下がって咲きます。花も実もどっちも垂れ下がり型ですが、虫に見えるのはだんぜんこちらの実の方です。花がどんなふうに垂れ下がるのかは、春になってのお楽しみでございます。

1309イヌシデ

上川内万太郎

実は木の実

いよいよ秋本番(アミタケ)

1309アミタケ

秋本番になりました。これは人気のキノコです。名をアミタケと申します。
秋になって、松の木のあるところに顔を出します。
アミタケという名は、キノコの裏が網目状になっている様からつけられました。
みそ汁にしたり、大根おろし和えにしたり、いろいろ利用されるキノコです。
福島県の浜通り地区では超がつく人気のキノコなのです。
これが出てくると秋。秋はおいしい季節なので、わたしは大好きです。

猛毒注意のトリカブト

1309トリカブト

昔々、もう6〜7年前になるかなと思って調べてみたら、なんと23年前の事件でした。時間の感覚がおかしくなって、困ったものです。その23年前の1986年、トリカブト殺人事件というのがありました。旅行中の女性グループの一人が突然苦しみ出して死亡、死因は心筋梗塞ということだったのですが、これがトリカブトによる毒殺で、亡くなった女性の旦那が逮捕されて無期懲役となったという事件でした。23年前のことを6〜7年前のことだと思ってしまったのは、わたしにトリカブトの毒が回ったのではありません。たぶん……。

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1309トリカブト

トリカブトはキンポウゲ科の多年草で、世界には約300種類の仲間があるんだそうで、日本でもけっこうたくさんの種類があります。中には比較的毒がないものもあるらしいですが、小さじ一杯で致死量に達する猛毒を持つものもあって、要注意の草木であることは疑いがありません。見ての通り、その葉っぱはニリンソウに似ていますから、まちがえて食べて中毒を起こす事故がけっこうあります。わたしは食べたことありません。ピンピンしているのがその証拠です。

1309トリカブト

トリカブトが毒を持つのは世界的にも有名で、昔っから毒殺事件はあったみたいですが、23年前の事件はトリカブトの名前を知らない人にもインパクトがあるニュースになりましたから、日本でのトリカブトはあの事件ですっかり有名になったとも言えます。
事件ではなかなか巧妙なアリバイ工作がされていて、真相究明にも時間がかかりましたが、うかつに真似をするとすぐに足がついてしまいそうです。いえいえ、わざわざそんなことを確認しないでも、トリカブトでにくたらしいやつを消してしまいたいなんて思わないでくださいね。ましてや、くれぐれも、はつおを消してやろうなんて思わないこと。わたしは山の草木にはくわしいですから、トリカブトを持ってきても食べる前に気がついちゃいますからね!(と見栄を張ってみましたが、ちょっとドキドキしています。お願いだからトリカブトはそっと山に置いておいてくださいね)

上川内花ノ内

ヤマボウシが教えてくれる季節

1309ヤマボウシ

川内村ではヤマガなんていいますが、ヤマボウシという植物です。ご覧の通り、かわいい赤い実をつけます。この実は食べられます。しかもおいしい。果実酒にしたりする人もいます。でも今日は唐突にキノコの話をしたいと思います。

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川内村は、キノコの名産地でありました。原子力発電所の事故以降は、キノコには放射能が多く含まれているということで、村外、特に県外の人には敬遠されがちですが、わたしらは放射能検査をして、食べられると判断したものはおいしくいただいています。不安な方には、無理に食べろとは申しません。無理に食べていただかなくても、わたしらが食べますから、大丈夫です。
と、そういうお話ではなく、秋はキノコの季節です。人によって、キノコの季節を察知するテクニックがあるのですが、そのひとつがこのヤマボウシです。この実が赤くなったら、あのキノコが出ると喜び勇んで出かけていく、というわけです。
とっておきの話をしたつもりですが、考えてみたら、ヤマボウシだけを見つけても、肝心のキノコが出る場所を知らなかったら、喜び勇んで出かけようにも、どこに出かけていいのかわかりませんね。すいません。
もうしわけないけど、わたしだけ喜び勇んで出かけていくことにします。

1309ヤマボウシ

はつおちゃんとあぶらちゃん

1309アブラチャン

この年になってちゃんづけで呼ばれるとちょっと照れ臭いものですが、でも村では子どもの頃からのつきあいの人が多いので、今でもはっちゃん、はっつぁんと呼ばれたりしています。だからわたしのことをはつおちゃんと呼んでくださるのも、まぁ違和感はありません。しかしアブラチャンはどうよと思いませんか? こんなかわいい名前、いったいだれがつけたんだろうと思いきや、どうも明治の初め頃にはすでにこの名前がついていたみたいなんですね。

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1309アブラチャン

明治時代だか江戸時代の植物学者も、草木の名前になんとかちゃん、なんてつけるしゃれっ気のある人がいたのかと思いきや、どうもそうでもないみたいです。
この実は、お世辞にも食べておいしいものではありませんが、食べるための実ではないんです。実はこの実は、昔の人が油をとるのに採取していたんですね。油をとる実だから油ちゃん、です。
すいません。問題の焦点はそこではありませんでした。なんで「ちゃん」かということですが、大五郎がお父ちゃんのことを「ちゃん」なんて呼んでますが、アブラチャンのちゃんは、それでもないみたいで、どうやら油がいっぱい、という意味みたい。いやあ、ことばって、むずかしい。ちゃんちゃん。

1309アブラチャン