川内村観光協会

ハリガネカズラ

1404ハリガネ

花屋とか行きます?
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男だから行かないってダメ。
男でもこれからは花材とか、花とか知らなきゃ。

生け花などに使われる、何か、生き物みたいでしょう。

平地にはほとんどなくて、少し標高の高い所にまれに生えている植物です。

ぐるぐる矢車草

1305矢車草

深山の渓谷などによく生えている草で、葉柄50cm、花茎の高さ1mほどにもなる大きな葉です。矢車草の名前の由来は、葉の形を見れば一目瞭然、ですね。

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葉っぱの形、五月の節句にも使われる矢車に似ていますね。花びらはなくて、がくが花のように白く見えます。日本庭園にも使われる草で、野草愛好家の間では、鉢植えにして鑑賞されるお値打ちものです。野草店でも必ずといっていいほど売られていますね。
川内村の矢車草は売り物でもお土産品でもないので、お持ち帰りにならないよう、お願いいたします。

1305矢車草

フジの冬芽

1402フジの冬芽

紫の美しい花をつけるのがフジ。花を咲かせるのは4月中旬から5月中旬にかけてで、もちろん今は花も休眠中で、寒さにじっと耐えています。でも、フジもやっぱり、春の準備を着々と整えているのですね。

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冬芽とは、冬の芽のことですが、花になる芽と葉になる芽がありますが、これは花になる花芽です。で、花芽と葉芽を総称して、冬の芽を冬芽というのです。
ちなみに冬芽は「とうが」。花芽は「はなめ」。葉芽は「ようが」と読みます。ひらがなで書くと、植物用語はなかなか趣があって風流ですね。

1402フジの冬芽

ワラビの大群落

1309ワラビ

このあたり、見渡す限り、ワラビです。これはなかなか壮観です。

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ワラビは、ヤブのない、日当たりのいいきれいなところに出てきます。こういう環境だと、ワラビはどんどん増えて大きな群落を作るものなのですが、この群落はそれにしても見事なのです。

1309ワラビ

ムシに刺されたらオトギリソウ

1308オトギリソウ

おとぎ話は夢を語れそうな気がしますが、こちらはおとぎ草ではなくオトギリソウです。なんとその名前の由来は「弟切草」だそうで、ぶっそうな名前なのです。しかしてオトギリソウは、持っていると便利な薬草です。名前と実態が合わないような気がしますが、それこそが弟切り草と名づけられた由来かもしれません。

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弟切草の名前は、昔々、おそらく平安時代ではないかと思うのですが、その時代に生きた兄弟ゆえだといわれています。その頃からこの草の薬用効果は知られていたということですが、ある日弟が、その効能を他人に教えてしまいました。兄は薬用効果はこの家族だけの秘密だと思っていましたから激怒。なんと弟を切って殺してしまった。それで草の名前もオトギリソウ、というわけです。おそろしいですね。オトギリソウの花言葉は「迷信」「秘密」「盲信」「信心」「恨み」「敵意」 とあります。さもありなんというか、花言葉もぶっそうです。
でも平安時代のその兄弟は、その草のことをなんと呼んでいたのでしょう? 「兄貴、おれはオトギリソウを採ってくるぞ」「おう弟よ、オトギリソウはよく効くからな」なんて会話があったとしたら、切られた弟は誰なんだということになりますが、ややこしい詮索はしないでおきます。
オトギリソウの薬用効果については、わたしも覚えがあります。今から25年ほど前になるでしょうか。わたしもまだ若くてぴちぴちしていまして、商工会青年部などに在籍しておりました。わたしはその副部長です。
ある日ソフトボール大会を盛大に開催しまして、そこに浪江の方が選手として参加されました。その方、缶飲料をお飲みになったのですが、飲んでる途中で打順になったのか、缶をそこに置いてその場を離れてしまったのですね。戻ってきて、ふたたび飲みかけの飲料を飲んだ瞬間、悲鳴が上がりました。なんと缶の中に、ハチがひそんでいたのです。
おそらくアシナガバチだと思いますが、飲もうとしていた口元を刺されてしまった浪江選手さん、いきなり口元が腫れてしまって、たいへんなことになりました。
みんなを川内村にお呼び立てしてソフトボール大会を企画したその副部長として、わたしはあわてました。診療所に搬送しようとかどうしようとおたおたしているとき、時の部長さんは沈着冷静。今でも三瓶スタンドでご健在ですが、その三瓶さんが「ちょっと待ってろ」と家に戻って持ってきたのが、オトギリソウの焼酎漬けでした。それを腫れてしまった口元に塗ると、なんだか痛みも引いてきたというではありませんか。ハチに刺されたのは午前中でしたが、午後4時に大会を終了する頃には、腫れは半分くらいになっていました。その後浪江のみなさんはそのまま会津にでかけて一泊するということで、心配性の私は会津のお宿に電話をかけてご様子伺いをしたのですが、なんと夜になったらすでになんでもないというではありませんか。
小さい頃から植物が好きで、図鑑ばかり見ていたわたしですから、オトギリソウが薬草として有効だというのは知識では知っておりました。しかしそんなにまで効くとは、正直思っていませんでした。図鑑を信用していなかったのですね。それからわたしは、オトギリソウには足を向けて眠れなくなりました。
根っこから葉っぱまで、草を全部、焼酎につけ込みます。だいたい1升瓶だったら3本ほどつけ込めば、効能も確かだと思われます。つけこんだその明日にはまだ効能を発揮しません。1ヶ月つけ込めとか3ヶ月つけ込めとか諸説ありますが、悪くはならないので、そのままずっと置いておけばいいのです。
多年草ですから、庭に植えておけば、ちゃんと増えていきます。でも近ごろはみなさん庭に植えたりすることはしないようで、かといって山でこれを見つけるのはむずかしいので、薬屋さんで虫刺されの薬を買うという結末になるのだと思いますが、わたしはこの25年間、ひたすらオトギリソウのお世話になっています。

1308オトギリソウ

よくぞ食べたり ウワバミソウ

1306ウワバミソウ

蟒蛇草と書いてウワバミソウと読むんだそうですが、ウワバミって、大蛇のことです。なんだか不気味です。でもこれが、立派な山菜なのです。世の中、わからないものです。

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そういえば、大酒呑みのこともウワバミなどといいますが、このウワバミソウはいったいどんなゆえんでこんな名前になったのでしょう? 私はヤマタノオロチを見たことはないので、ウワバミソウがウワバミに似ているかどうかは判断がつきません。
しかし、どことなく気持ち悪いという感じは持っています。市場などでは、歯とひげ根ををとった状態で束ねて売ってます。でもこれが、なんだか気持ち悪い。売ってる人に怒られそうですが、ミミズのでっかいのが束ねられているみたいです。
葉っぱはご覧の通り、ぎざぎざで先端がちょっと伸びています。花もまぁかわいいのです。しかもこのウワバミソウ、食べればおいしい。しかも薬用植物です。良薬は口に苦しといいますが、良薬は口にもおいしい。しかし、私は店頭に並んでいるウワバミソウの姿の印象が強すぎて、どうも苦手です。私にも苦手なものもあるのです。

1306ウワバミソウ

出世する金銀花

130617スイカグラ

村のあちこちにあって、それほど珍しい花ではありませんが、私の好きな花のひとつです。都会に行くと、庭にこの花を植えてある家を見かけますが、村ではそういう光景はまず見かけません。村ではこの花のことを知っているのは私だけなのだと思うと、少しうきうきします。私が思っているだけかもしれませんが。

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カズラというその名の通り、つる性の植物です。漢字で書くと吸い葛。葛そのものが木に吸い付くのに、ずいぶんと念押しをされた名前ですが、砂糖が珍しかった時代、子どもたちはこのカズラを吸って、蜜の甘味を楽しんだことから、吸い葛の名前がついたという説もあります。学名はLonicera japonicaといいますから、日本のスイカズラは諸外国のそれとはすこしちがうようです。英語ではJapanese honey suckleで、蜜が多い花の様子を表しています。
別名を忍冬といいます。これも読んで字の如く、寒い冬を耐え忍んでいる様を表現したものです。スイカズラを忍冬と呼ぶことから、忍冬と書いてスイカズラと読む人もいますが、これはさすがに無理があると思います。でもそう読ませてしまうところに、日本の野山の懐の深さがあるのかもしれません。
さて、私が好きな別名は金銀花です。花唇ははじめ白く、徐々に黄色くなっていきます。これを表したのが金銀花という名前です。白から黄色ではなく、銀から金。見事に出世しています。こんな花を眺めながら暮らしたら、ちょっと気持ち豊かになれそうです。

130617スイカグラ

銀竜草

1306ギンリョウソウ

銀の竜の草と書きますが、ギンリョウソウと読みます。ギンリュウソウではないところが不思議ですが、そういうことになっています。真っ白くて、なにやらお化けみたいです。そのとおり、ユウレイタケなんて別名もついてます。タケとは茸の意味でしょうけれど、これはキノコではなく、植物です。
草のくせに緑色でない、なので光合成をしません。自分が生きるための栄養は、ほかの植物に寄生することで得ています。コナラなどに共生するベニタケから養分をもらうことが多く、これを見つければ近くにベニタケがいるかも、という目印にもなります。
透き通るような白色ですが、採取してしまうとどんどん黒くなってしまいますから、そっと見守ってあげてください。