川内村観光協会

マンサク咲く

1403マンサク

春一番に咲くマンサク。
マンサクが咲き始めました。川内村にも春がやってきました。

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ご覧のように、糸状の花です。
花のないこの季節、山のミツバチたちは、春一番のこの花を探して血眼のはずなんですが、本日はそれほどでもなし。ミツバチが活躍するには、まだちょっと早かったということでしょうか。
今年も、ようやく春です。

1403マンサク

新春のアサツキ

1403アサツキ

アサツキともアサヅキともいいますが、当地方ではアサヅキと言われています。田んぼの畔や畑の縁に出ている山菜で、生食できます。春の遅い川内村ですが、春の味覚は育っているのです。

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1403アサツキ

アサヅキは、球根などに味噌をつけて食べます。生食もできますが、さっと茹でて食べることもあります。雪の下から鮮やかな緑色の芽を伸ばします姿が、いかにも春の日差しを求めているようです。

フジの冬芽

1402フジの冬芽

紫の美しい花をつけるのがフジ。花を咲かせるのは4月中旬から5月中旬にかけてで、もちろん今は花も休眠中で、寒さにじっと耐えています。でも、フジもやっぱり、春の準備を着々と整えているのですね。

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冬芽とは、冬の芽のことですが、花になる芽と葉になる芽がありますが、これは花になる花芽です。で、花芽と葉芽を総称して、冬の芽を冬芽というのです。
ちなみに冬芽は「とうが」。花芽は「はなめ」。葉芽は「ようが」と読みます。ひらがなで書くと、植物用語はなかなか趣があって風流ですね。

1402フジの冬芽

アセビの冬芽

1402アセビ

馬酔木と書いてアセビと読みます。毒のある植物で、馬も酔っぱらうようになってしまうからこんな名前になっているとのことですが、今の季節はやっぱりひっそりと冬ごもりをしています。花が咲くのは、このあたりでは4月初めから5月中旬。まだまだ、もう少し先のことになります。
このアセビの冬芽が、これです。やがて春になれば白やピンクの花をつける美しい花ですが、シーズンオフはこんなふうに赤いつぼみをつけて、春を待っています。色のないさびしげな冬の風景ですが、こんな色もあるのです。
つぼみになる前の状態を花芽(はなめ。あるいはかがとも読みます)といい、冬の風物詩でありますので、冬芽(ふゆめ、とうがとも読みます)と呼んでいます。

ヤマユリのさや

1311ヤマユリのさや

川内村は、ヤマユリの咲き乱れる村です。夏の日には、村のそこここにヤマユリが咲き乱れる姿が見られるはずです。もちろん、今の季節、ヤマユリの姿を見ることはできませんが、実は秋には、こんな姿を見ることもできます。それで思い出したことがありました。

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昔々、もう15〜16年前のことになるでしょうか。近所のおじいさんが、ヤマユリの種を大量に山から掘り出してきたということがありました。なにをするやらと思いきや、神奈川県の三浦半島に嫁いでいった娘のところに送ったのだそうです。なんでも関東地方では、ヤマユリが高いお値段で取引されているとかで、娘さんは三浦の畑に川内村のヤマユリを植えて、市場に出してみようとしたようなのですね。
実はヤマユリは、川内村(ばかりでなく東北地方全般)にはたくさん咲きますが、関東地方、北陸地方、そして北海道には自生しないユリなんだそうで。関東の嫁さまは、ヤマユリを育てたくてもそのタネがなかったのですね。
おじいさんの娘さんの商売がうまくいったかどうかは、定かではありません。おじいさんがヤマユリを求めて山を掘り返す姿はそれきり見られなくなったので、ご商売もそれなりだったのではないでしょうか。
山の花は掘り返さないで、そのまま鑑賞しましょうね。はつおからの、お願いです。

1311ヤマユリのさや

嫌われっ子世の役に立つクドフジ

1308クドフジ

このへんでは、クズのことをクドフジといいます。川内独特の呼び名かと思ったら、どうもそうでもなさそうですが、福島県以外ではあまり呼ばれない名前だと思います。美しい花で、一度見たらその美しさを忘れることはできません、とわたしは思います。

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しかしこのクドフジ、あまりいい印象を持ってもらってはいないようで、それもそのはず、いろいろな植物にからまります。最終的にはスギでもヒノキでも有用な植物を枯らしてしまうので、ほめてもらえるわけがありません。ぐるりと木にまきつけば、太陽にもあたりにくくなってしまうしで、からまれた木はかわいそうに生きていけないのです。
昨今は、賛否はありますが、除草剤が進化しています。しかしクドフジは、除草剤でもなかなか死にません。だからクドフジなんです。クドは「くどい」「しつこい」という意味で、フジがツルであることを表しています。
こんなやっかいものですが、葛粉は葛餅になるし、根っこは風邪薬になったりします。これが葛根湯です。なんでもはるか昔の万葉集の頃にはすでに薬として登場していたみたいなのです。
クズはクズでも、クドフジはお役に立ちます。そしてやっぱり、美しい。

1308クドフジ

美しき女郎さま咲き乱れ(オミナエシ)

1308オミナエシ

先日オトコエシをご紹介しましたが、オトコときたらオンナです。そしてわたしは、もちろんオトコよりもオンナのほうが好きであります。なんといってもこの黄色の輝き、たまらないではありませんか。

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オトコエシ同様に、オミナエシも漢字で書くと女郎花です。そしてこちらもオトコエシと同様に、美しいご婦人のことをさして女郎と呼称するのが、古い日本の用法だったそうです。
オミナエシの名は、そしてまた「おみな圧し」という意味でもあるという説があります。美女も圧倒する美しさ、という意味の「みな圧倒する」ということですね。同感です。
オトコエシとよく似た草花で、よく似た花をつけますが、あちらは白で、こちらは黄色です。男と女を色にたとえて男性が白、女性が黄色というのは違和感のある方もいらっしゃるかと思いますが、私は黄色が大好きですから、女性が黄色であるというキマリには意義はありません。すばらしいと思います。
女郎花という名前は、平安時代前期にはその名が歌集などに残っていますので、その頃にはすでに女郎花として周知だったのではないかと思われます。
当時は舗装道路もなく、草刈り機もなく、区画整理も環境汚染も格段に少なかったでありましょうから、オミナエシもその美しさを存分に世間に見せつけていたのでしょう。
科学が進歩してその頃にいけるようなことになったら、当時のお花畑をぜひ見てみたいものです。

1308オミナエシ

山奥に釣り船を出す「良師」かな(ツリフネソウ)

1308ツリフネソウ

本日はツリフネソウのお話です。こんな名前を、どの時代の人がつけたのでしょう。見れば、確かに釣り船に見えないこともないような気がします。ツリフネソウを、庭に植えている人もいらっしゃるらしいです。

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1308ツリフネソウ

釣り船といえば、山の渓流で漕ぎ出すものではありません。ツリフネソウが花をつけるのは比較的低い山が多いということですから、その昔(いつの時代だかはわかりません)、海に近いところの山でこの名前が命名されたのかもしれません。
ツリフネソウはまた、吊船草という説もあるようです。帆掛け船をつり下げたかたちに見えるのだそうです。あなたには、どんな船に見えますか?

1308ツリフネソウ

山の華、フシグロセンノウの、赤

1308フシグロセンノウ

鮮やかなオレンジの花。山で見ると、その色合いはひときわ美しく輝きます。
花の名はフシグロセンノウ。川内村には千翁川という美しい川がありますが、残念ながら、そのセンノウ川とこちらのセンノウとは別人だったのでありました。

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1308フシグロセンノウ

花のセンノウは漢字で書くと仙翁です。京都の仙翁寺にたくさん花をつけていたのでこの名になったというのがその名の由来ですが、仙翁寺とは、さてどこだろう。現在、仙翁寺を調べると宮城県気仙沼のお寺が出てきます。京都にはこういう名前のお寺はありません。どうやら仙翁寺は、佐賀にあった幻の寺、ということになっているようです。なんでも、大文字焼きの舞台となる京都市右京区嵯峨鳥居本(さがとりいもと)の曼茶羅山なる山にあったお寺ということですが、お寺のお話はここまで。
この幻のお寺で咲き乱れていたセンノウの仲間で、節が黒いのが今回の主役のフシグロセンノウです。
とてもすてきな赤色で、この花を見つけると、おもわずこちらの頬がぽーっと赤くなってしまいます。
直立した茎を持つ花ですが、近年日本各地で絶滅が心配されるようになりました。苗が育てられて販売もされているのですが、野山の花が減っていくのは、さびしいことだと思います。

1308フシグロセンノウ