川内村観光協会

ヤマユリのさや

1311ヤマユリのさや

川内村は、ヤマユリの咲き乱れる村です。夏の日には、村のそこここにヤマユリが咲き乱れる姿が見られるはずです。もちろん、今の季節、ヤマユリの姿を見ることはできませんが、実は秋には、こんな姿を見ることもできます。それで思い出したことがありました。

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昔々、もう15〜16年前のことになるでしょうか。近所のおじいさんが、ヤマユリの種を大量に山から掘り出してきたということがありました。なにをするやらと思いきや、神奈川県の三浦半島に嫁いでいった娘のところに送ったのだそうです。なんでも関東地方では、ヤマユリが高いお値段で取引されているとかで、娘さんは三浦の畑に川内村のヤマユリを植えて、市場に出してみようとしたようなのですね。
実はヤマユリは、川内村(ばかりでなく東北地方全般)にはたくさん咲きますが、関東地方、北陸地方、そして北海道には自生しないユリなんだそうで。関東の嫁さまは、ヤマユリを育てたくてもそのタネがなかったのですね。
おじいさんの娘さんの商売がうまくいったかどうかは、定かではありません。おじいさんがヤマユリを求めて山を掘り返す姿はそれきり見られなくなったので、ご商売もそれなりだったのではないでしょうか。
山の花は掘り返さないで、そのまま鑑賞しましょうね。はつおからの、お願いです。

1311ヤマユリのさや

むきむきムキタケ

1311ムキタケ

ムキタケといいます。ムキムキマンの親戚ではないのですが、さて、なんでこんな名前になったのか、ご存知でしょうか?
このキノコ、煮たり茹でたりすると、キノコの皮がすぐむけるんです。だからムキタケというんですね。

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1311ムキタケ

ムキタケは、食べられます。ブナなどの落葉樹の大木の、それも枯れた木に宿って出てくるのがふつうなので、たいてい山の奥のほうで生息しています。なのでなかなか見つけられません。実はわたし、この年になるまでムキタケを野生の状態でみることがなかったくらいです。
ひとつには、このキノコ、秋のほんの2週間くらいしか出ていないんです。たとえば一般にお値打ちとされているマツタケなどは、1ヵ月半くらい出ていますから、たとえ数が少なくても、目の色を変えて探す人の目に触れるチャンスも増えるわけです。ある意味、マツタケ以上に貴重なキノコ、ともいえます。
しかもこのムキタケは、たいへん珍しいことに、川に倒れかかった木から出ていました。川からの湿気や、いろんな条件がムキタケにちょうどよかったのだと思います。珍しいこと珍しいことで、わたしは満足でした。
このムキタケ、わたしは栽培品を食べたことはあります。なので味は知ってます。とてもおいしいキノコです。山には珍しくても、お店には並んでいますから、食べてみてください。

鳥の巣ならぬテングス病

1310テングス病

これ、なにに見えるでしょうか? 鳥の巣ではないかとお答えになったあなたは、なかなか自然に親しんでおられる。そう、鳥の巣に見えます。でも鳥の巣じゃないんですね。正解は、木の病気でした。

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1310テングス病

テングス病というこの病気は、木の茎や枝が密生してしまう症状です。特にサクラの木はこの病気にかかりやすく、もし発病してしまった場合は、病気になった枝を刈り取って焼却しないといけないという、ややこしい病気です。
高い木の上にできる病気なので、空高くから下界を見下ろしている天狗様にちなんで、天狗巣病と呼ばれています。昔の人も、やっぱりこれはなにかの巣に見えたのでしょうね。

ナラタケいとおいしい

1311ナラタケ

秋のキノコ、ナラタケの登場です。ナラタケとナラタケモドキはその名の通りよく似ています。別の種類のキノコですが、このあたりの人はあんまり区別はしないようで、どちらもいっしょにしてオリミキとかモタシと呼んでいます。どちらかというと、年配の方がモタシと呼ぶことが多いようです。
でも今回はもっぱら食べるお話です。

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1311ナラタケ

昔っから、川内村ではこのオリミキをたるに塩蔵して、冬の貴重な食材としてきました。みそ汁の具とかおかずとして食べてきたわけです。最近は中国からボリボリの名前で輸入されるようになりました。
ナラタケもナラタケモドキも、大根おろしで食べるとものすごくおいしい。しゃきしゃきしていて、幸せになれます。
旅に出ると、旅館の食卓によく出てきます。

1311ナラタケ

冬近し青空に映えるアオハダの実

1311アオハダ

秋になると、こういう赤い実が森を彩ります。これはアオハダの実。平伏の森国有林で出会いました。美しい赤がお気に入りです。

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1311アオハダ

この実は、ウメモドキにそっくり。ウメモドキはそこそこのお値段で苗が売られていたりして、一部では絶滅危惧種に指定されているような植物です。そのウメモドキにそっくりなもんだから、知識のある人でもアオハダを見てウメモドキに出会ったと大喜びするくらいです。
ウメモドキ同様、アオハダも庭園、公園木としてよく見かけます。落葉して、葉っぱがなくなってしまっても、この赤い実はまだ残っているので、冬の野山を散策すると、この赤が青空に映えて、たいへん美しいのです。

山のルビーみっけ(ツルリンドウ)

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鮮やかな色の実があります。教えられなくても、山のルビーと呼んでみたくなる鮮やかさです。ピンとこない人は、ほんもののルビーを見たことがない人ではないでしょうか。わたしは……、ほんもののルビーに縁はないのですが、山のルビーをよく知っていますから、宝石屋さんでルビーを見ればすぐにわかります。でもわたしは、ルビーの指輪より、手のひらにそっと山のルビーをのせておくほうが好きです。

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ちなみに山のルビーとは、わたしの命名です。得意げに山のルビーだ!というと笑われちゃうこともあるかもしれませんが、それは、笑うほうに想像力が欠けているのですから、そっとしておいてください。
この山のルビー、たまに山で出会うと、木に絡まっていたりしていることが多いのですが、この実の鮮やかさを見つけると、山歩きの疲れは一瞬にして吹き飛んでしまいます。

秋の空に飛びなさい(ツクバネ)

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まるでプロペラみたいだと思いませんか? まるでそのとおり。自然界を飛ぶヘリコプターです。つくばねというのは、つく羽なんですね。
最近では、この葉の形がおもしろいので、東京あたりの都会でこの木を飾り物にする人が増えているということです。確かにいい飾りになるかもしれません。

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1310ツクバネ

わたしとしては、子どものころ、この実を空高く飛ばして、落ちてくるのを見て楽しんだことが思い出があります。落ちてくるとき、本当にプロペラが回っているように、くるくると回転しながら落ちてくるのが楽しいんです。
つくばねは寄生植物で、これをそのまま庭に植えても根付きません。野に置けレンゲソウということわざがあるように、つくばねも、野にあって、ほかの木に寄生しながら、秋になってくるくると空を舞って子孫を増やすのが性にあっているのだと思います。

1310ツクバネ

夢は秋に開く(アケビ)

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秋になると、山にはいろんな味覚があります。これも私が好きな「秋」のひとつ。アケビです。
山でこういう実を見つけて、大喜びで食べた子どものころが懐かしく思い出したりして、こういうの気持ちになるのも秋だからでしょうか。

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アケビを食べるというと、ほかの地方ではアケビの実の皮を食べるのだそうです。おいしいのでしょうか? かわうちでは、アケビの皮を食べる人は、私の知る限り一人もいません。
かわうちのアケビ好きは、アケビの実の中身を食べるんです。これは立派なフルーツです。バナナが高級品だったわたしの子ども時代ですが、実はちゃんと上等のフルーツを食べていたんですね。

1310アケビ

良薬は口に苦し(センブリ)

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当薬という名前となって胃腸薬として名が知れていますが、山に帰ればセンブリという名前があります。センブリとは、千回振ってもまだニガイ、というのが由来だそうで、いかにニガイのかという話ですが、良薬は口に苦しといいますから、よく効く薬なのだということかもしれません。

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昔、といっても20年ほど前でしょうか。川内ではこの当薬を山でとってきて売りに出て、お金を稼いでいた人がおりました。当薬の稼ぎで軽自動車を買う。そんな人が大勢いたのが記憶に残っています。
今は長野県が当薬の産地ということになっていて、畑で大量に作っているので値段もずいぶん安くなりました。
当薬とはいい薬という意味。胃腸や下痢に効くとさえていますが、近年では、脱毛に効果があるということがわかってきて、育毛の薬には必ず入っています。わたしが愛用しているかどうかは、ナイショということにさせていただきます。

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