川内村観光協会

嫌われっ子世の役に立つクドフジ

1308クドフジ

このへんでは、クズのことをクドフジといいます。川内独特の呼び名かと思ったら、どうもそうでもなさそうですが、福島県以外ではあまり呼ばれない名前だと思います。美しい花で、一度見たらその美しさを忘れることはできません、とわたしは思います。

しかしこのクドフジ、あまりいい印象を持ってもらってはいないようで、それもそのはず、いろいろな植物にからまります。最終的にはスギでもヒノキでも有用な植物を枯らしてしまうので、ほめてもらえるわけがありません。ぐるりと木にまきつけば、太陽にもあたりにくくなってしまうしで、からまれた木はかわいそうに生きていけないのです。
昨今は、賛否はありますが、除草剤が進化しています。しかしクドフジは、除草剤でもなかなか死にません。だからクドフジなんです。クドは「くどい」「しつこい」という意味で、フジがツルであることを表しています。
こんなやっかいものですが、葛粉は葛餅になるし、根っこは風邪薬になったりします。これが葛根湯です。なんでもはるか昔の万葉集の頃にはすでに薬として登場していたみたいなのです。
クズはクズでも、クドフジはお役に立ちます。そしてやっぱり、美しい。

1308クドフジ

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