川内村観光協会

サイコロ岩と洗濯板岩

1308四角い岩と洗濯板岩

わたしは千翁川の周辺が大好きです。ここでたたずんでいると、気持ちの芯から洗われるように感じるのですが、問題は、ここでゆっくりたたずんでいるヒマなど、貧乏人にはあんまりないということです。それでも、お弁当を持ってここでたたずんでいれば、パチンコですって外食して帰ってくるより安上がりなのも、確かです。

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すいません。貧乏自慢をしたかったわけではありません。いまどき、洗濯板なんていっても知らない人が多いのではないでしょうか。洗濯機の脱水といったらふたを閉めてスイッチを押すのがふつうで、ローラーに洗濯物を入れて手で回すなんて知らない人がほとんどです。ましてや川で洗濯をするなんて! ってね。
さてこの洗濯板は、もちろんここで誰かが洗濯したわけではないと思いますが、実にそれらしい洗濯板です。しかも洗濯板がのっているのが、真四角のサイコロのごとしの大岩です。
自然界にはいろんなことが起こって不思議はないので、四角い岩もあれば、真平らな岩もあるでしょう。でもここまで四角い岩に、ここまで平らな岩が乗っているというのは、偶然にしてもなかなかのものです。
実はおれが乗せたんだ、という人がいたんだったら名乗り出てほしいものだと思いますが、人のいたずらにしろ水のいたずらにしろ、これはなかなか不思議な光景です。こんな不思議が、川内村にもあったというのは、ちょっとわくわくするではありませんか。

ヤマハハコさん、ごめんなさい

1308ウスユキソウ

ヤマハハコの大群落がありました。ヤマハハコそのものは、そんなに珍しい植物ではありませんが、ひとところにたくさん咲いていると、やっぱり気持ちがいいものです。しかし今回は、ヤマハハコにもうしわけないことをしてしまいました。

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1308ウスユキソウ

ヤマハハコの群落に、いろいろな種類の蝶が群がって止まっているのを見たことがあります。なかなか絵になる光景でした。ヤマハハコの蜜がチョウチョウの大好物なのか、たまたま咲いていたのがヤマハハコだったのかはチョウチョウには聞き取り調査ができませんでしたが、川内村のてっぺんである、高塚高原で見かけた光景です。どうぞ見にきていただければと思います。
さてこのヤマハハコですが、当初、このヤマハハコをウスユキソウだと自信たっぷりに紹介してしまいました。ヤマハハコという立派な名前と草木としての誇りもあるだろうに、もうしわけないことをしました。ヤマハハコさん、ごめんなさい。なんだか山崎ハコさんにあやまっているような字面ですが、わたしがあやまっている相手はヤマハハコさんです。
ヤマハハコとウスユキソウは、同じキク科の植物です。実はわたし、ウスユキソウを群落で見たことが亡くて、今回、ヤマハハコの群落を見てこりゃ大発見だと舞い上がってしまいました。お恥ずかしい限りです。
実はわたしには、その昔々、山野草の先生がいました。その先生がヤマハハコを鉢植えで持っていたのですが、そこには「エーデルワイスの仲間のウスユキソウ」説明文が書かれていました。若い時分のその印象が強くて、舞い上がったときについ師匠と同じ勘違いをしてしまったという次第です。
ご指摘いただいたLADYBIRDさん、ありがとうございました。恥ずかしい失敗ですが、今後の戒めとして、みなさまの前で白状いたしました。どうぞ今後ともよろしくお願いします。

1308ウスユキソウ

夏だってツツジ(ホツツジ)

1309ホツツジ

ツツジといえば、春に咲く花です。川内村の村花はドウダンツツジというかわいいツツジですが、高塚山山頂一帯の自生地が満開となるのは6月中旬のことです。ところがこのツツジは、夏に咲きます。しかも花の形がおもしろいです。名を、ホツツジといいます。

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1309ホツツジ

ホツツジは日本固有のツツジです。よその国にはありません。でもちょっと毒を持っているそうなので気をつけてください。
ホツツジとは、穂躑躅と書くようですが、わたしが思うにこの名は「ほっとするつつじ」ではないかと思うのです。8月末から9月上旬にかけて、暑い山の中でこの花を見ると、なんだかほっとしてしまうのです。

不死身のイタドリ、ここにあり

1309イタドリ

この花、ご存知ですか? 知らない方、多いと思います。なんだか生き物みたいに見えるかもしれません。チョウチョ? うん、チョウチョだと思って見た方が、納得できるかもしませんね。

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しかしこれ、立派な花なんです。その名をイタドリといいます。なんと「虎杖」と書きます。外から見ればチョウチョのように見えるし、名前を知ればまったく読み方がわからない。なんとも不思議な植物です。このイタドリ、春には山菜として食べられます。これも、知らない人が多いのではないかと思います。なんだか、なぞの植物みたいですね。

1309イタドリ

しかしまたこのイタドリ、農家にとってはやっかいな植物でもあります。なんと、除草剤をかけてやっつけようと思っても、さっぱり死にません。畑や田んぼの土手に、どんどん増えていってしまいます。除草剤の使用については賛否のあるところですが、ことイタドリに限っては、除草剤が効かないのですから、そんな議論はどこ吹く風です。
それでもその花を見る限り、やっかいなことは忘れて、美しいなぁと思ってしまうのでした。

1309イタドリ

ネギはしょわねどカモの水浴び

1309カモ

上川内、高塚高原入口で見かけた心あたたまる家族の光景。
先生と思われるカモが、生徒かもしれないカモ3羽に、エサの取り方から泳ぎ方、敵から身を守る方法などを教えているのカモしれません。
天皇陛下がお住まいになる皇居のお堀では、カルガモの行進が話題になったりしていますが、どっこい川内村だって、カモの行進はあるのです。川内村、なかなかあなどれないカモしれません。

毒にも将棋にもなれエゴノキ

1308エゴノキ

エゴノキ、別名、わたしらはヂシャボなんていいます。近年の緑化運動で珍重されると思えば、魚釣りにも使われたりと、なかなか用途が広い木でもあります。
平伏の森の国有林にありました。平伏沼の周辺は、やはり自然の宝庫です。

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ヂシャボというのは、その実のなり方から名を取ったと聞いています。いっぱいあるから、人間ではなくて、牛かなんかではないかと思いますが、この実のなり方が乳に見えた方がいらっしゃれば、それはお目が高い方です。ヂシャボの名は、乳成からきているのです。乳成木(チシャキ)が転じてチシャボ、ヂシャボというわけです。
エゴノキの別名として萵苣の木(ちしゃのき)としている文献もあるので、乳成の謂れは当地オリジナルかもしれませんが、だとしたらお目の高かった当地の先人に敬意を表したいと思います。
エゴノキは何本か株になって公園などに植えられますが、また将棋の駒にもなります。さらには魚をつかまえる時にも使います。川にまいて、魚がしびれて浮かび上がったところを捕獲するのです。
多方面に大活躍。エゴノキの名は、自分勝手な木、という意味ではなくて、その実がえぐい(苦い)からだということです。

田んぼアートなう

1309田んぼアート

間もなく稲刈りの季節です。この田んぼアートも、予定では10月6日に刈り取ることになっています。あと少し。
台風被害はけっこう甚大で、村内でも倒れてしまった稲は少なくないのですが、この田んぼは被害を免れているようです。
写真の左の方、山の麓に黒い屋根の大きな建物が見えますが、これはあぶくま民芸館です。川内村の昔ながらの農機具や、草野心平にかんする写真などが展示されています。そしてこの上に、草野心平が愛した天山文庫があります。
田んぼアートは、天山文庫から見えるように植えられているのですね。

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この写真を大きくしてまっすぐ上から見たようにしてみました。それがこちらの写真です。「心」という文字が少しかすれてしまっていますが、もしかしたらこのあたりは少し稲が倒れかけているのかもしれません。

1309田んぼアート

そしてもう1枚、8月に、ヘリコプターで村内を回るというイベントがありました。そのとき、上空から撮った田んぼアートの写真がありましたので、ご紹介します。写真を撮ったのはメロンパン屋さんの林商店さんでした。ご提供、ありがとうございました。

1309田んぼアート

宿りせし人の形見かフジバカマ

1308フジバカマ

平安時代の歌人、紀貫之が詠んだのが「宿りせし 人の形見か 藤ばかま 忘られがたき 香に匂ひつつ」なる歌。
フジバカマそのものは、その場にはないようです。そこに泊まっていたどなたかが旅立たれたあと、フジバカマの香りが漂っているという内容で、秋の七草としてのフジバカマの存在感が浮かび上がっています。

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1308フジバカマ

利尿や通経の漢方薬としても使われている薬草であると同時に、刈り取った茎葉を半乾きの状態にすると香りが立ちます。これが匂い袋として使われます。紀貫之の歌は、そんな匂い袋を詠んだものでしょうか。
紀貫之がフジバカマを詠んだのは1000年以上前の話ですが、フジバカマが人類の形見とならないよう、祈るばかりです。

慶事を飾るヒモかツル(ミズヒキ)

1308ミズヒキ

水引とは、結婚式の時に出てくる封筒や贈答品にかかっている組み紐のことです。その水引と同姓同名なのがこのミズヒキ。似ているように見えませんか? おめでたい花なのかもしれません。

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1308ミズヒキ

古来から、ミズヒキは茶花としても使われています。日本のどこでも見られる草花ですが、南の方では絶滅危惧種に指定されているとのこと。福島県ではそんなことはないのですが、絶滅危惧種とかに指定されているとなると、ついほしくなってしまう人がいっぱいいるようで、川内村からミズヒキがなくなってしまうのではないかとちょっと心配です。
限定100個!なんて宣伝されるとつい並んでしまったりするもんですが、もしかすると絶滅危惧種もそれとおんなじようなもんだったりして??

森のヘーゼルナッツ登場(ツノハシバミ)

1308ツノハシバミ

不思議なカタチをした木の実です。不思議なカタチだけど、味は確か。今ごろから晩秋にかけてが、食べごろです。名を、ツノハシバミといいます。

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1308ツノハシバミ

ヘーゼルナッツは西洋のもので、セイヨウハシバミと呼ばれています。それに対して日本製のこちらはツノハシバミ。その木の実に角が生えているみたいだからその名になったのかどうかはわかりませんが、おかしなカタチの木の実であることは確かです。だからこれがヘーゼルナッツの仲間で、おんなじくらいおいしいというのを知らない人も少なくないようです。
数日間しっかり陰干しをして、炒めると香ばしいです。クッキーやケーキにも使います。
とはいえ、今回はたまたま発見しましたが、これまで見つけたツノハシバミは、みんな虫が食っていて、わたしは川内村には虫の食ったツノハシバミしかないのだと思っていましたが、食べられるツノハシバミに出会えて、わたしはうれしい。