川内村観光協会

動物も迷走

1401足跡

なんの足跡でしょうか。先日、雪の平伏沼を見に行ったときの道中で見かけたものです。もしかすると、歩いたあとにまた少し雪が降って、わかりにくくなっているのかもしれません。ウサギなのかイノシシなのか犬なのかタヌキなのか、ライオンやゾウではないとは思いますし、おそらくテンではないのではないかと思うのですが、冬の雪原は、動物の痕跡がはっきり見えて、おもしろいです。

(さらに…)

1401林道の足跡

道の左側は崖になっています。これもテンでしょうか? 道の端から端までふらふら歩いてきて、おっと、ここは崖だぞと思い直して引き返しています。できることなら、崖だと知って少しあわてた様子を盗み見してみたかったと思います。

冬の平伏沼

1401平伏沼

モリアオガエルの繁殖地として天然記念物となっている平伏沼の、冬の様子です。道は雪に埋まっています。

(さらに…)

この時期、平伏沼にでかける人はいませんし、平伏沼に行く用事もありません。なので除雪はしていません。行けるところまでクルマで行って、進めなくなったところからは雪中行軍です。
川内村は、けっして多くの積雪があるわけではありませんし、今年は特に雪が少ないように思います。それでもこの時期の、しかも標高が高い平伏沼のことですから、一度降った雪は、溶けることなく行く手を阻んでいるのです。

1401平伏沼

駐車場から沼までの遊歩道は、さらさらの新雪で、足跡ひとつないと思いきや、先客がいました。イノシシさんとウサギさんのようです。写真は、残念ながらわたしの足跡も残っています。沼に向かって歩いているときには、写真を撮る元気がなかったのでした。

1401平伏沼

モリアオガエルさんたちがどこにいるのかはさっぱりわかりませんでした。雪が少ないと、また夏になって沼の水が干上がったりするんじゃないかと心配になったりしますが、カエルさんたちも元気に暮らし続けてほしいものだと思います。

毒にも将棋にもなれエゴノキ

1308エゴノキ

エゴノキ、別名、わたしらはヂシャボなんていいます。近年の緑化運動で珍重されると思えば、魚釣りにも使われたりと、なかなか用途が広い木でもあります。
平伏の森の国有林にありました。平伏沼の周辺は、やはり自然の宝庫です。

(さらに…)

ヂシャボというのは、その実のなり方から名を取ったと聞いています。いっぱいあるから、人間ではなくて、牛かなんかではないかと思いますが、この実のなり方が乳に見えた方がいらっしゃれば、それはお目が高い方です。ヂシャボの名は、乳成からきているのです。乳成木(チシャキ)が転じてチシャボ、ヂシャボというわけです。
エゴノキの別名として萵苣の木(ちしゃのき)としている文献もあるので、乳成の謂れは当地オリジナルかもしれませんが、だとしたらお目の高かった当地の先人に敬意を表したいと思います。
エゴノキは何本か株になって公園などに植えられますが、また将棋の駒にもなります。さらには魚をつかまえる時にも使います。川にまいて、魚がしびれて浮かび上がったところを捕獲するのです。
多方面に大活躍。エゴノキの名は、自分勝手な木、という意味ではなくて、その実がえぐい(苦い)からだということです。

2013平伏沼ありがとう

平伏沼定点観測2013年5月23日

5月23日、2013年の定点観測を始めたときの平伏沼です

○今年の平伏沼追跡幕引きのお知らせ

 ご心配、ご注目をいただいておりました平伏沼のその後の様子ですが、このあたりでいったん幕引きとさせていただきます。平伏沼近辺は自然の豊富なところですから、近くまで行った際にはできるだけ様子を見てこようと思いますが、現在オタマジャクシのカエルたちが無事に育って、来年水の豊富な沼に産卵にやって来るのを祈りつつ、みなさまのアクセスに感謝いたします。ありがとうございました。

○開催御礼

平伏沼観察会は、無事終了しました。ご参加いただいた方、どうもありがとうございました。平伏沼のモリアオガエルの繁殖は、もうしばらく続きます。どうぞやさしく見守ってあげてください。

================

間もなく、川内村の天然記念物平伏沼で、モリアオガエルが産卵を始めます。
産卵を静かに見守りたいという片のために、今年も観察会を企画させていただきました。どうぞご参加ください。
観察会についてのご案内はこちら/course/1305moriaogaer/をどうぞ)
観察会に参加できないけれど、平伏沼とモリアオガエルがどんな毎日を送っているかが気になる方のために、秋元はつおが日常激務の時間を割いて、定期的に平伏沼の様子を代表観察してくることにいたしました。
モリアオガエルのみならず、刻々と変わっていく平伏沼の季節もまた、お楽しみください。

2013平伏沼立ち入り禁止看板

(さらに…)

◆2013年8月5日

130805平伏沼

世間を痛めつけている豪雨は、川内村にも少しですがやってきました。今年も、何度か大雨が降ったことがありましたが、沼の水をためるには、豪雨よりも長雨が効果的のようです。しかし今回の豪雨は、さすがに量が多かったのか、いくらか水量が戻ってきました。おかげで、発泡スチロールの箱は、沼の端に流されています。

130805平伏沼

オタマジャクシには、まだ足は生えていません。これで丸1ヶ月を過ぎましたから、もう足が生えてきてもいいのですが、さて、どんなものでしょうか。発泡スチロールの中で育てるのがいいのか、外敵が多そうな箱の外に出してやるのがいいのか、ここは天然記念物に指定されているところですので、下手な手も出せず、神にお祈りして、そっとこの場を去ることにします。みなさん、ありがとうございました。

◆2013年7月23日

1307平伏沼のオタマジャクシ

このところ、福島県内各所では、大雨に見舞われるところが多くありました。でも平伏沼は、くやしいほどに平穏を保っていて、水の量も対して増えていません。そしてオタマジャクシたちも、いまだ足のない状態で発泡スチロールの中を泳いでいます。
オタマジャクシに足が生えるのは生後7週間ということですから、まだもう少しオタマジャクシのままなのかもしれませんね。

◆2013年7月18日

20130719平伏沼

このところ、ちょっとした雨が降って、ほんの、ほんの少し沼の水が復活してきました。といっても、オタマジャクシが気持ちよく泳ぐには、まだまだあやうい状態ですが。いまのうちに、沼をもう少し深く掘っておけばいいんじゃないかという気もしますが、天然記念物だから、そんなことはできないのかな?
発泡スチロールの箱の中のオタマジャクシは、それなりに元気に泳いでいます。新しい卵塊もひとつ確認しました。オタマジャクシには、まだ足は生えていません。

◆2013年6月27日

130627平伏沼のオタマ

発泡スチロールの箱に水を入れ、少し雨が降った翌日の平伏沼です。うまい具合に箱の中に落ちてくれればいいなぁと思いながら箱を配置していったのですが、うまい具合に落ちてくれたものがありました。箱の中では、ご覧のようにオタマジャクシは、元気に箱の中で泳いでいます。

130627落ちる寸前の卵塊

沼には、まだ落ちずに木の枝にしがみついている卵もいっぱいあります。これもそのひとつですが、写真を撮っているときにはちっとも気がつかなかったのですけれど、これはまるっきり人の顔ですね。けっこう鼻が高くて、美男顔です。
念のために付け加えておくと、目と鼻に見えるのは、卵の中ですでに動き始めているオタマジャクシです。
乾いた沼のあちこちに、白い発泡スチロールの箱が置かれている現在の平伏沼。あんまり美しいとはいえないのですが、未来を担うモリアオガエルが健康に育つためです。ちょっとがまんしてやってくださいね。

130627平伏沼なう

◆2013年6月26日

130626平伏沼の水差し

しとしと雨の中、平伏沼のモリアオガエルに水分補給をしてきました。といっても、平伏沼全体に水を満たすなどということは、残念ながらちょっとむずかしいです。せめて、卵が落ちる沼面に置いた発泡材の箱に水を満たして、うまいことこの中に卵が落ちてくれるようにお祈りしました。
投入した水は600リットル。沼畔までクルマが入ったりはできませんから、200メートルのホースを引いて水を入れましたが、じりじりさせられる作業でした。
沼全体に水を入れるとしたら、1週間くらいかかってしまうのかもしれません。
今日までがまんできずに落ちていたオタマジャクシもありましたが(4匹救助しました)、哀れ干からびていたオタマジャクシさんもいらっしゃいました。平伏沼で生き延びるのも、たいへんです。

130626平伏沼の水差し

◆2013年6月24日

130624干上がった平伏沼

川内村は、いいお天気です。それほど暑くもなく、もちろん寒くなく、風は心地よいです。でもそれは人間にとって快適ということで、カエルさんにとってはどうでしょうか。
卵塊の数は121個。ちょっと増えました。このうち4つが、すでに落下していました。でもおそらく、落ちた卵の主はそのまま干からびてしまったものと思われます。かわいそうだけど、どうしようもありません。バケツリレーで水でも汲んでこれればいいのですけれど。

130624オタマジャクシ

中にひとつ、木の上でなく、最初から石の影に卵を産み付けたカエルさんがいらっしゃいました。そこには、オタマジャクシの姿も見られました。このうち、どれくらいがちゃんとカエルさんになるでしょう?

130624落ちてしまったモリアオガエルの卵塊

これが、落ちてしまった卵です。卵塊が崩れしてしまって、中にさらに小さな卵(ちょうどイクラくらいの大きさです)が詰まっているのですね。こちらはこのままひからびてしまうのか、もしかしてこの中からオタマジャクシさんが現れてくるのか、さてどうなるでしょうか。

◆2013年6月21日

何度か雨が降り、隣町では大雨となったりもしましたが、平伏沼の水は、そんなに増えていません。今年はもう、水が少ないままカエルさんの生命力に頼るしかないのかもしれません。
卵は110個になりました。一部、卵が落ちているものもありました。声を忍ばせて平伏沼に潜んでいると、モリアオガエルがゲロゲロと鳴いている声が聞こえてきます。

130621平伏沼

◆2013年6月17日

2013年6月17日の平伏沼

15日土曜日は、大雨洪水警報が出ました。これで少しは沼に水が入るかと思いましたが、降っている時間が短かったのか、沼の水はそんなに増えませんでした。ひきつづき、今年のモリアオガエルの赤信号は続いています。
卵の数は88個(念のため申し添えますが、この数字ははつお計測で公式発表ではございません。多少数がちがってもごめんなさいね)でした。下の写真はもうすぐ湖面に落ちようとしている少し気が早い卵です。今湖面に落ちたら、下に水がありませんから、あわれそこでおしまいかと思われます。それも自然の厳しさなのかもしれません。私はこうやって湖面を見続けます。

2013年6月17日モリアオガエルの卵

◆2013年6月14日

2013年6月14日の平伏沼のカエルの卵

台風も梅雨も空振りです。沼の水は、いよいよなくなってしまいました。モリアオガエルも困ったのでしょう。ついに、水のある沼の真ん中の岩に卵を産み付けていました。残念、そこの沼の水も干上がってしまいました。

130614平伏沼の真ん中の岩に産み付けられた卵

それでも季節を迎えて、モリアオガエルの産卵は続いています。本日の産卵数は82個(はつお実測)。みんながみんな、元気にカエルになってくれるのを祈るばかりです。

130614干上がった沼面

干上がった沼面には、無数の足跡が残っていました。デリケートな時期ですから、どうぞ産卵するモリアオガエルの気持ちをくんでいただいて、そっと見守ってあげてください。

◆2013年6月7日

2013年6月7日の平伏沼

6月7日、梅雨の季節だというのに、雨がぜんぜん降りません。平伏沼は、急激に水が少なくなってきてしまいました。このままでは、せっかく産卵したモリアオガエルも、ちゃんと育ってくれるかどうかあやしいところです。
平伏沼は、水の入り込まない沼です。空からの恵がなければ、水はどんどん減っていきます。これも自然の試練なのかもしれません。
卵は、6つから10個に増えていました。

◆2013年6月4日

2013年6月4日の平伏沼

6月4日、ひっそりと産卵を開始しました。確認できたのはほんの数個です。大事に成長を見守ってください。真新しい卵で、おそらく前夜にでも産卵したのではないかと思われます。
平伏沼の放射線数値は、遊歩道入り口の駐車場で0.2μSv/h〜0.3μSv/h、平伏沼周辺で0.3μSv/h〜0.4μSv/hでした。

◆2013年5月13日

平伏沼定点観測2013年5月23日

カエルはまだ姿を見せません。声も聞こえません。5月は新緑がきれいです。

アワを食えアワタケ

1308アワタケ

表面がヌメヌメしていて、群落を作るキノコです。裏側にひっくり返すと網目状になっていて、アミタケの仲間です。調べていただくとわかりますが、こういうキノコをイグチの仲間といいますが、イグチ目イグチ科イグチ属だそうです。でもイグチでなく、その名はアワタケです。表面のヌメヌメが、アワのように見えるからこういう名前になったにちがいないです。

(さらに…)

1308アワタケ

大きくなったカサは、赤ちゃんの頭ぐらいの大きさになります。でっかいです。そして、食べられます。美味と、言われています。言われている、というのは、わたしが食べたことがないからです。でもどんな図鑑をひいても、食べられる、と書いてありますからまちがいないのですが、わたしは食べたことがないんです。だからすいませんが、どんな味だかわかんないんです。どうぞ、食べてみてください。
なぜ食べたことがないかというと、けっして毒キノコじゃないかと疑っているわけじゃありません。この時期、アワタケがとれるような山には、ほかにもうまいキノコがいっぱいあります。わざわざアワタケをとってこないでも、ほかにおいしいキノコがいっぱいあるからです。キノコの季節は多少の前後はあってもだいたい同じですから、ほかのキノコをとっている時に、ついでにアワタケが目に入ってしまうことはあるのですが、申し訳ないことにその時にはそれどころではない、というのが現実なわけです。
こういうふうに、アワタケを食べない人は、実のところ少なくないのではないかと思います。というのも、山に入るとアワタケが手に取られた形跡もなく踏みつぶされたり蹴っ飛ばされたりしているのを見つけるからです。地元の人にも食べてもらえない、かわいそうなキノコなのです。
聞くところによると、汁物やフライ、天ぷらにするとおいしいということです。

1308アワタケ

平伏沼でモリアオガエル観察しました

20130630平伏沼観察会

6月30日、平伏沼観察会が開かれました。たくさんの方に参加していただいて、モリアオガエルの姿もちょっぴり確認させてもらえました。水がない平伏沼ですが、なんとか生き延びて、また来年、元気な姿を見せてほしいと思います。

(さらに…)

20130630平伏沼観察会

モリアオガエルを見つけるのは、なかなかたいへんでした。ゲコゲコと鳴いているのは聞こえましたから、オスがそのあたりにいるのは確かなのですが、姿が見えません。保護色ですっかり見えないので、目が慣れるまではいるのに見えないわけです。

20130630平伏沼観察会

南相馬市博物館の稲葉さんにモリアオガエルの生態などを伺いながらの観察。今回のような水が干上がった状態では、繁殖に支障が出るのはもちろんだけど、モリアオガエルはなかなかにしたたかな生物なので、きちんと生き延びて、また来年の繁殖のチャンスを狙うにちがいない、ということです。
また来年、元気なモリアオガエルに、そして元気なみなさんにお会いできますよう、楽しみにしています。

平伏沼モリアオガエル観察会(満員御礼)

1305モリアオガエル1

定員となりましたので、募集申し込みを締め切らせていただきました。ありがとうございました!

モリアオガエルの繁殖地として、国の天然記念物の指定を受けている川内村の平伏沼。今年もまた、彼らの季節がやってきます。平伏沼に生息する「モリアオガエル」とその産卵の様子をいっしょに観察しませんか? 産卵環境保護のため、沼に近づくことはなるべくご遠慮願っていますが、今回は南相馬市博物館・学芸員の稲葉さんにご指導を仰ぎながら、貴重なシーンの観察が期待できます。ぜひご参加ください。

(さらに…)

日時 平成25年6月30日(日)午前9時
(雨天決行)
集合場所 かわうちの湯駐車場内「あれ・これ市場」前
現地にはマイクバスで送迎致します。
参加費 お一人様500円(資料代・傷害保険代を含みます)
持参物 飲み物・帽子・長袖・雨具・長靴及びトレッキングシューズ等
募集人員 30名になり次第締切となります。
申込先 川内村観光協会まで
Tel 0240-38-2346
Fax 0240-38-3418
Eメール kawauchi@coral.ocn.ne.jp

当日の日程
午前9時 集合・受付
午前10時 現地にて観察会開始
午後12時 解散

注意:当日のみ損害保険に加入致します。

主催:川内村観光協会
共催:川内村教育委員会
後援:川内村

すわってるモリアオガエル

平伏沼異聞

2013年初春の平伏沼

川内村には、平伏沼という国の天然記念物があります。川内村のシンボルであるモリアオガエルの繁殖地ですが、モリアオガエルさんばかりが有名になってしまって、平伏沼について昔聞いた、こんな話はすっかり忘れ去られてしまいました。

(さらに…)

昔々、坂上田村麻呂という武将がおりました。1200年ほど前、平安時代初期の征夷大将軍で、現在の東北地方(当時は蝦夷【えみし】と呼んだようです)を制した人物です。蝦夷支配の一環として、田村麻呂の足跡は、川内村にも多く残っています。
そこで幅を利かせていたのが大多鬼丸なる地元の豪族でした。大多鬼丸という名前は、大滝根山にひっかけた作り話かもしれませんが、それでもいいことにしましょう。とにかくとある豪族が川内村界隈でいばっていたのは確かのようです。
坂上田村麻呂は、この大多鬼丸をこらしめることにしました。地の利に長けた大多鬼丸は、なかなか田村麻呂に組み敷かれるに至りません。ようやく田村麻呂が大多鬼丸を追いつめてやりこめたのが、川内村の南西のはずれの山奥の沼の端でございました。
坂上田村麻呂が大多鬼丸を平れ伏せた場所、それが平伏沼ということです。
今ここで子孫を増やしているモリアオガエルは、そんな歴史を知っているでしょうか。