川内村観光協会

平伏沼異聞

2013年初春の平伏沼

川内村には、平伏沼という国の天然記念物があります。川内村のシンボルであるモリアオガエルの繁殖地ですが、モリアオガエルさんばかりが有名になってしまって、平伏沼について昔聞いた、こんな話はすっかり忘れ去られてしまいました。

昔々、坂上田村麻呂という武将がおりました。1200年ほど前、平安時代初期の征夷大将軍で、現在の東北地方(当時は蝦夷【えみし】と呼んだようです)を制した人物です。蝦夷支配の一環として、田村麻呂の足跡は、川内村にも多く残っています。
そこで幅を利かせていたのが大多鬼丸なる地元の豪族でした。大多鬼丸という名前は、大滝根山にひっかけた作り話かもしれませんが、それでもいいことにしましょう。とにかくとある豪族が川内村界隈でいばっていたのは確かのようです。
坂上田村麻呂は、この大多鬼丸をこらしめることにしました。地の利に長けた大多鬼丸は、なかなか田村麻呂に組み敷かれるに至りません。ようやく田村麻呂が大多鬼丸を追いつめてやりこめたのが、川内村の南西のはずれの山奥の沼の端でございました。
坂上田村麻呂が大多鬼丸を平れ伏せた場所、それが平伏沼ということです。
今ここで子孫を増やしているモリアオガエルは、そんな歴史を知っているでしょうか。

緯度37.313138 経度140.748435

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