川内村観光協会

出世する金銀花

130617スイカグラ

村のあちこちにあって、それほど珍しい花ではありませんが、私の好きな花のひとつです。都会に行くと、庭にこの花を植えてある家を見かけますが、村ではそういう光景はまず見かけません。村ではこの花のことを知っているのは私だけなのだと思うと、少しうきうきします。私が思っているだけかもしれませんが。

カズラというその名の通り、つる性の植物です。漢字で書くと吸い葛。葛そのものが木に吸い付くのに、ずいぶんと念押しをされた名前ですが、砂糖が珍しかった時代、子どもたちはこのカズラを吸って、蜜の甘味を楽しんだことから、吸い葛の名前がついたという説もあります。学名はLonicera japonicaといいますから、日本のスイカズラは諸外国のそれとはすこしちがうようです。英語ではJapanese honey suckleで、蜜が多い花の様子を表しています。
別名を忍冬といいます。これも読んで字の如く、寒い冬を耐え忍んでいる様を表現したものです。スイカズラを忍冬と呼ぶことから、忍冬と書いてスイカズラと読む人もいますが、これはさすがに無理があると思います。でもそう読ませてしまうところに、日本の野山の懐の深さがあるのかもしれません。
さて、私が好きな別名は金銀花です。花唇ははじめ白く、徐々に黄色くなっていきます。これを表したのが金銀花という名前です。白から黄色ではなく、銀から金。見事に出世しています。こんな花を眺めながら暮らしたら、ちょっと気持ち豊かになれそうです。

130617スイカグラ

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