川内村観光協会

ガマの油で火をつける?(ガマの穂)

1308ガマの穂

木戸川本流の河川敷に生えてた、りりしいこいつは、ガマの穂といいます。穂といいますが、種ですね。ちょっとヒマワリの種に似ていますが、もっともっと巨大です。

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1308ガマの穂

この写真を見ると、ガマの穂というよりラクダの顔にも見えますが(見えない?)そんなことはどうでもいい話でした。
このガマの穂、インターネットを調べるといろんな用途があるみたいですが(放置しておくとすくすく育ってたいへんなことになるので、地元民としてはやっかいものの印象ですが)、古代人はこの穂を使って火を起こしていたらしいです。
火起こし器を使って火を起こすと、このガマの穂に火をつけて、火種を保存していたのですね。
なんでそんなことを知っているかって?
わたしは実は、タイムマシンに乗って古代からやってきた古代人だったのです。
あ、ガマの油はガマの穂とはぜんぜん関係ないですからね。だまされないように。

山男参上(ナツハゼ)

1309ヤマオトコ

このあたりでは、この実のことをヤマオトコ、なんていいます。このあたりの人は、この実の正式名称を多分知らないのではないかと思いますが、実はナツハゼといいます。ブルーベリーやレッドベリーなどのベリー系の仲間です。
しかしまた、なんでハゼなんていうんでしょう? ハゼといったら、海の魚です。山を流れる川の魚の名前がつくならともかく、ヤマオトコは山の中にかわいい実をつけているのです。ヤマオトコのほうがぴったりの名前だと、わたしは思うのであります。

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ヤマオトコは、山の頂上付近に生えていることが多い植物です。なので秋に山登りをする人は、この実を食べて登山の疲れを癒しました。ヤマオトコという名は、こういう理由があったからだと思います。
ナツハゼという名前は、わたしの苦手なインターネットを調べると「夏にハゼノキのような紅葉を見せるから」ということらしく、海のハゼとは関係ないような感じなのですが、それでもわたしはヤマオトコのほうが名前としてはステキだと思います。
そういえば、川内村で食品の放射能検査が始まった頃、ヤマオトコを検査に持ってきた人がいました。検査官も村人なので、なんの不思議もなく検査をして(数量がどれほど出たのかは失念しました)村の広報誌にも「山男」として掲載されたのですが、広報誌はいまやインターネットで村人以外の人も見ることができるので、いったいこれはなにを測ったのだとひそかに話題になったことがあるそうです。インターネットの世界は、不思議です。

そんなバナナ(ホウノキの実)

1310ホウノキの実

人呼んで赤いバナナ。ご覧の通り、カタチはバナナです。これ、ホウノキの実。ホウノキといえば、葉っぱのでっかさで有名でありますが、葉っぱだけじゃない、その実も、日本一でっかいのです。
小学校や中学校の頃、図工の時間に版画掘りをやった覚えはありませんか? 彫刻刀を使って刃を滑らさないように板を削っていくのですが、版画用の板といえば、実はこれがホウノキなのです。
知らずにホウノキ体験をしていた人、少なくないのではないでしょうか。

良薬は口に苦し(センブリ)

1310センブリ

当薬という名前となって胃腸薬として名が知れていますが、山に帰ればセンブリという名前があります。センブリとは、千回振ってもまだニガイ、というのが由来だそうで、いかにニガイのかという話ですが、良薬は口に苦しといいますから、よく効く薬なのだということかもしれません。

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昔、といっても20年ほど前でしょうか。川内ではこの当薬を山でとってきて売りに出て、お金を稼いでいた人がおりました。当薬の稼ぎで軽自動車を買う。そんな人が大勢いたのが記憶に残っています。
今は長野県が当薬の産地ということになっていて、畑で大量に作っているので値段もずいぶん安くなりました。
当薬とはいい薬という意味。胃腸や下痢に効くとさえていますが、近年では、脱毛に効果があるということがわかってきて、育毛の薬には必ず入っています。わたしが愛用しているかどうかは、ナイショということにさせていただきます。

1310センブリ

源氏物語の生みの親?(ムラサキシキブ)

1310ムラサキシキブ

その名の通り、紫色の紫式部です。平安時代の名作、かの源氏物語の作者と同姓同名ですが、もちろん偶然ではありません。歴史をつくった女流歌人にたとえられてこの名になったのです。

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1310ムラサキシキブ

紫色がきれいなので、園芸店などでは必ず置いてある人気商品です。紫の実は葉がすっかり落ちても残っているので、生け花の素材にも使われます。風流を地で行く草木で、さすが紫式部の名前も納得です。
都会では珍しいともいわれますが、川内ではあちこちにあって、珍しいものではありません。道路沿いのこの実がこぼれんばかりに実っている光景は、それはそれは見事なのであります。
紫式部の肖像画は2000円札にもちょっと登場しているらしいのですが、高額紙幣に縁がないわたしは、こちらの紫式部さんにはとんとお目にかかっておりません。秋のうちに、こちらのムラサキシキブの美しいお姿をたっぷり拝見しておきたいと思っています。

つららか虫か、イヌシデだ!

1309イヌシデ

「変わった虫がぶら下がってる! ありゃなんだ?」と通報を受けたので、飛んでいってみました。最近、あれはなんだ、これは食えるのかというお問い合わせをいただくようになりました。頼りにしていただいて、ありがたいことです。
しかしこれ、虫ではありませんでした。通報を無視したわけではありません。

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これ、イヌシデであります。虫に見えたのは、このイヌシデの実なんですね。イヌシデは花も上から垂れ下がって咲きます。花も実もどっちも垂れ下がり型ですが、虫に見えるのはだんぜんこちらの実の方です。花がどんなふうに垂れ下がるのかは、春になってのお楽しみでございます。

1309イヌシデ

上川内万太郎

実は木の実

猛毒注意のトリカブト

1309トリカブト

昔々、もう6〜7年前になるかなと思って調べてみたら、なんと23年前の事件でした。時間の感覚がおかしくなって、困ったものです。その23年前の1986年、トリカブト殺人事件というのがありました。旅行中の女性グループの一人が突然苦しみ出して死亡、死因は心筋梗塞ということだったのですが、これがトリカブトによる毒殺で、亡くなった女性の旦那が逮捕されて無期懲役となったという事件でした。23年前のことを6〜7年前のことだと思ってしまったのは、わたしにトリカブトの毒が回ったのではありません。たぶん……。

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1309トリカブト

トリカブトはキンポウゲ科の多年草で、世界には約300種類の仲間があるんだそうで、日本でもけっこうたくさんの種類があります。中には比較的毒がないものもあるらしいですが、小さじ一杯で致死量に達する猛毒を持つものもあって、要注意の草木であることは疑いがありません。見ての通り、その葉っぱはニリンソウに似ていますから、まちがえて食べて中毒を起こす事故がけっこうあります。わたしは食べたことありません。ピンピンしているのがその証拠です。

1309トリカブト

トリカブトが毒を持つのは世界的にも有名で、昔っから毒殺事件はあったみたいですが、23年前の事件はトリカブトの名前を知らない人にもインパクトがあるニュースになりましたから、日本でのトリカブトはあの事件ですっかり有名になったとも言えます。
事件ではなかなか巧妙なアリバイ工作がされていて、真相究明にも時間がかかりましたが、うかつに真似をするとすぐに足がついてしまいそうです。いえいえ、わざわざそんなことを確認しないでも、トリカブトでにくたらしいやつを消してしまいたいなんて思わないでくださいね。ましてや、くれぐれも、はつおを消してやろうなんて思わないこと。わたしは山の草木にはくわしいですから、トリカブトを持ってきても食べる前に気がついちゃいますからね!(と見栄を張ってみましたが、ちょっとドキドキしています。お願いだからトリカブトはそっと山に置いておいてくださいね)

上川内花ノ内

はつおちゃんとあぶらちゃん

1309アブラチャン

この年になってちゃんづけで呼ばれるとちょっと照れ臭いものですが、でも村では子どもの頃からのつきあいの人が多いので、今でもはっちゃん、はっつぁんと呼ばれたりしています。だからわたしのことをはつおちゃんと呼んでくださるのも、まぁ違和感はありません。しかしアブラチャンはどうよと思いませんか? こんなかわいい名前、いったいだれがつけたんだろうと思いきや、どうも明治の初め頃にはすでにこの名前がついていたみたいなんですね。

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1309アブラチャン

明治時代だか江戸時代の植物学者も、草木の名前になんとかちゃん、なんてつけるしゃれっ気のある人がいたのかと思いきや、どうもそうでもないみたいです。
この実は、お世辞にも食べておいしいものではありませんが、食べるための実ではないんです。実はこの実は、昔の人が油をとるのに採取していたんですね。油をとる実だから油ちゃん、です。
すいません。問題の焦点はそこではありませんでした。なんで「ちゃん」かということですが、大五郎がお父ちゃんのことを「ちゃん」なんて呼んでますが、アブラチャンのちゃんは、それでもないみたいで、どうやら油がいっぱい、という意味みたい。いやあ、ことばって、むずかしい。ちゃんちゃん。

1309アブラチャン

大安売りの荒地売り(アレチウリ)

1309アレチウリ

アレチウリ。漢字で書くと荒地瓜です。なんだか殺伐とした名前ですが、それには理由があります。このウリ、北米からやってきたオタズネ者なのです。
こいつときたら、トゲはあって痛いし、食べればにがくておいしくないしで、ちっともいいところがありません。ちょっと前までは川内村ではとんと見かけなかった植物です。

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1309アレチウリ

スイカの大敵の最近を持っているという外来種ですが、スイカに限らず、樹木にからまってその木を枯らしてしまいます。
おまけに繁殖力はものすごくて、たった1株で25000個以上の種子をつけた例も報告されています。少子化なんのそのですね。こんなふうに、たいへんやっかいなやつなのです。敵が攻めてきた時のために憲法改正を、というような動きもあるようですが、日本はすでに、やっかいな外来種に攻められているのです。
日本侵略的外来種ワースト100の中に入っています。本来川内村になかった植物が見られるようになって、本来川内村にあった植物が消え去っていく。時代の流れと片づけていいのか、こういうことも、ぜひ国会の先生には頭をひねっていただきたいと思います。

オケラになるなオケラを見ろ

1309オケラ

オケラになるとは、お金がなくなってすっからかんになってしまうことをいいますが、よもやみなさんは、目の前のこの可憐な植物が、一文無しだなんて信じられるでしょうか? 植物なんだからお金を持っているわけがないじゃないかなどつっこまないでください。せっかくおもしろいことを言ったのだから。これ、その名もずばり、オケラといいます。

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1309オケラ

オケラの語源をちょっと調べてみますと、オケラとは昆虫のケラの俗称(「お」がついているんだからていねいに称したものだったりするのでしょうか?)です。ケラはバッタの仲間なのですが、前からこいつを見ると、これがまた「ばんざい」をしているように見えます。この「ばんざい」がお手上げ状態に見える、金がなくて降参というポーズだろう、ということで、一文無しの様をオケラと呼ぶようになったという説があります。
もうひとつの説が、こちらのオケラと関係あり。このオケラは、生薬として使われています。薬にするときには根っこの皮をはぐため、丸裸になってしまいます。この丸裸が、ばくち勝負に負けて無一文になった者を指す丸裸と同じであるということで無一文がオケラになったということです。
植物のオケラが、どういういわれでオケラという名前をちょうだいすることになったのかは正確なところはわかりませんが、わたしがオケラとなるのはぜひとも避けたいものであります。