ウスノキのことを川内村では
ウスノキと申します。その名のとおり、臼の木です。赤い実をご覧ください。先端が、持ちつきの臼みたいに、へこんでいます。それでこの木は臼の木になったということです。でも、川内村ではもうちょっと単刀直入、わかりやすい言い方をしています。
ウスノキと申します。その名のとおり、臼の木です。赤い実をご覧ください。先端が、持ちつきの臼みたいに、へこんでいます。それでこの木は臼の木になったということです。でも、川内村ではもうちょっと単刀直入、わかりやすい言い方をしています。
秋になると、こういう赤い実が森を彩ります。これはアオハダの実。平伏の森国有林で出会いました。美しい赤がお気に入りです。
「うるし」、ご存知ですよね。さわるとかぶれる、近寄らないほうがいいというんで有名な塗料ですが、その元祖がこのウルシの木です。時節柄、ウルシも実もつけています。
わたしはこの花が大好きです。名前に「秋」がついていることからもわかるように、秋になると黄色いかわいい花をつけるのですが、この花が咲き始めると、わたしはとある活動を始めます。それはなにか。ないしょです。
なんか、最近やたら人気があるんだそうです。ウマブドウという、なんにでもよくきくという果実です。最近は世の中がうるさいですから、なんでもきくなんていうと怒られてしまうかもしれませんが、聞くところによると、みんなすっかりそういうものだと思っているそうです。
このウマブドウ、毒ではないんだけど食べることもできないし、子どもにとってはあんまり楽しい実ではありません。ところがこれを焼酎漬けにすると、これがあらまぁ、なんにでもきく薬になるというわけです。
なににきくかというと、しかしなんにでもきくといわれてしまうから、脱帽するしかありません。秋になると、実の色が変わってきて、ご覧の通り美しい三色豆みたいになってます。
正式名というか、学名はノブドウというんで、ウマブドウというのは川内村でだけ使われている名前なのかと思っていましたが、インターネットを見ると、全国で薬功があるとして売られているのを知りました。川内の方言じゃなくて、日本全国、ウマブドウと呼ぶんですね。ウマブドウでもノブドウでも、どっちでもいいんですが、わたしとしては言いなれたウマブドウのほうが、やっぱりしっくり来るような気がします。
鮮やかな色の実があります。教えられなくても、山のルビーと呼んでみたくなる鮮やかさです。ピンとこない人は、ほんもののルビーを見たことがない人ではないでしょうか。わたしは……、ほんもののルビーに縁はないのですが、山のルビーをよく知っていますから、宝石屋さんでルビーを見ればすぐにわかります。でもわたしは、ルビーの指輪より、手のひらにそっと山のルビーをのせておくほうが好きです。
自然界はおもしろいです。アカマツもこうなると、老木とか枯れ木というより、芸術作品に見えてきます。こういう出会いがあるので、山歩きはやめられません。
アカマツは幹が枯れても芯の部分は半永久的に腐らずに残る木です。このアカマツ、芯の太さから推定すると、樹齢はざっと250年以上です。となると、この木が誕生したのは、徳川幕府の絶頂期の頃でしょうか。江戸時代から明治、大正、昭和と時代を見つめ続けてきたアカマツです。
なんで芯を見ただけで樹齢の想像がつくのかとお疑いの方がいらっしゃるかと思います。実はわたし、少々ですが山を持っていまして、その山の木を切りました。その木が、おんなじような感じで年輪を数えたら230年だったのです。
立ち枯れたアカマツには、それを養分として他の植物が着床して生を灯し始めています。こうして時代は巡り、新しい時代を見つめていく次世代の木も生まれてくるのでしょう。
ヤマハハコの大群落がありました。ヤマハハコそのものは、そんなに珍しい植物ではありませんが、ひとところにたくさん咲いていると、やっぱり気持ちがいいものです。しかし今回は、ヤマハハコにもうしわけないことをしてしまいました。
ヤマハハコの群落に、いろいろな種類の蝶が群がって止まっているのを見たことがあります。なかなか絵になる光景でした。ヤマハハコの蜜がチョウチョウの大好物なのか、たまたま咲いていたのがヤマハハコだったのかはチョウチョウには聞き取り調査ができませんでしたが、川内村のてっぺんである、高塚高原で見かけた光景です。どうぞ見にきていただければと思います。
さてこのヤマハハコですが、当初、このヤマハハコをウスユキソウだと自信たっぷりに紹介してしまいました。ヤマハハコという立派な名前と草木としての誇りもあるだろうに、もうしわけないことをしました。ヤマハハコさん、ごめんなさい。なんだか山崎ハコさんにあやまっているような字面ですが、わたしがあやまっている相手はヤマハハコさんです。
ヤマハハコとウスユキソウは、同じキク科の植物です。実はわたし、ウスユキソウを群落で見たことが亡くて、今回、ヤマハハコの群落を見てこりゃ大発見だと舞い上がってしまいました。お恥ずかしい限りです。
実はわたしには、その昔々、山野草の先生がいました。その先生がヤマハハコを鉢植えで持っていたのですが、そこには「エーデルワイスの仲間のウスユキソウ」説明文が書かれていました。若い時分のその印象が強くて、舞い上がったときについ師匠と同じ勘違いをしてしまったという次第です。
ご指摘いただいたLADYBIRDさん、ありがとうございました。恥ずかしい失敗ですが、今後の戒めとして、みなさまの前で白状いたしました。どうぞ今後ともよろしくお願いします。
まるでプロペラみたいだと思いませんか? まるでそのとおり。自然界を飛ぶヘリコプターです。つくばねというのは、つく羽なんですね。
最近では、この葉の形がおもしろいので、東京あたりの都会でこの木を飾り物にする人が増えているということです。確かにいい飾りになるかもしれません。
秋になると、山にはいろんな味覚があります。これも私が好きな「秋」のひとつ。アケビです。
山でこういう実を見つけて、大喜びで食べた子どものころが懐かしく思い出したりして、こういうの気持ちになるのも秋だからでしょうか。