川内村観光協会

忍びの者参上(シノブ)

1305シノブ

忍という文字は、なかなか情緒的な文字でありまして、歌になったり人の名前になったり、いろんなところで登場します。このシダも、名前をシノブといいます。川内村だけでなく、だいたい日本の全土で育っているようです。
このシノブが、なんでシノブになったのかというお話をご紹介します。このシノブは、岩とか木に着生して、たとえ雨が1〜2ヶ月の間降らなかろうとも、じっと耐え忍んで生きています。冬の間は葉を落としますが、また春になると葉を出します。
そんな冬の間をじっと耐え忍ぶ姿が、まさにシノブなのです。
人里のお店では、風鈴にくっついて売られているので、風鈴でシノブの姿を見たことがある人は少なくないのではないでしょうか。

天まで続く?続滝

1305続滝

川内村の北西のはずれは、第一区行政区という行政区ですが、なぜかこの行政区だけ、高田島という古い呼び名で呼ばれることが多い、よそと比べるとちょっと変わった行政区です。高田島と呼ばれてはいますが、そういう地名があるわけでなし、バス停と電柱に、かろうじてその名があるくらいなんです。なんで高田島なんでしょうね。
それはさておき、美しい滝です。

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1305続滝

ちょっと見ると、人工の堰のように見えるかもしれません。でも自然の流れです。ここはもう、木戸川のほぼ源流近くになるわけですが、水は豊富で、こんなふうに何段かの滝になって流れていきます。
土地の人(つまり高田島の人、という意味です)はこの流れのことを続滝といいますが、実は続滝というのは、このあたり一帯の地名です。こちらは「高田島」とちがって電話帳にも登場する、ふつうに使われる地名です。
ではいったい、続滝という地名があったからこの水の流れが続滝と呼ばれるようになったのか、はたまたこの滝があったから、周囲が続滝となったのか、さてどちらでしょう? 答えていただいても、正解なのかどうかは教えてあげません。なぜなら、わたしが答えを知らないからです。
ちなみに続滝は「つづきたき」ではなく土地の人は「つづきがたき」と呼んでいます。

2013平伏沼ありがとう

平伏沼定点観測2013年5月23日

5月23日、2013年の定点観測を始めたときの平伏沼です

○今年の平伏沼追跡幕引きのお知らせ

 ご心配、ご注目をいただいておりました平伏沼のその後の様子ですが、このあたりでいったん幕引きとさせていただきます。平伏沼近辺は自然の豊富なところですから、近くまで行った際にはできるだけ様子を見てこようと思いますが、現在オタマジャクシのカエルたちが無事に育って、来年水の豊富な沼に産卵にやって来るのを祈りつつ、みなさまのアクセスに感謝いたします。ありがとうございました。

○開催御礼

平伏沼観察会は、無事終了しました。ご参加いただいた方、どうもありがとうございました。平伏沼のモリアオガエルの繁殖は、もうしばらく続きます。どうぞやさしく見守ってあげてください。

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間もなく、川内村の天然記念物平伏沼で、モリアオガエルが産卵を始めます。
産卵を静かに見守りたいという片のために、今年も観察会を企画させていただきました。どうぞご参加ください。
観察会についてのご案内はこちら/course/1305moriaogaer/をどうぞ)
観察会に参加できないけれど、平伏沼とモリアオガエルがどんな毎日を送っているかが気になる方のために、秋元はつおが日常激務の時間を割いて、定期的に平伏沼の様子を代表観察してくることにいたしました。
モリアオガエルのみならず、刻々と変わっていく平伏沼の季節もまた、お楽しみください。

2013平伏沼立ち入り禁止看板

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◆2013年8月5日

130805平伏沼

世間を痛めつけている豪雨は、川内村にも少しですがやってきました。今年も、何度か大雨が降ったことがありましたが、沼の水をためるには、豪雨よりも長雨が効果的のようです。しかし今回の豪雨は、さすがに量が多かったのか、いくらか水量が戻ってきました。おかげで、発泡スチロールの箱は、沼の端に流されています。

130805平伏沼

オタマジャクシには、まだ足は生えていません。これで丸1ヶ月を過ぎましたから、もう足が生えてきてもいいのですが、さて、どんなものでしょうか。発泡スチロールの中で育てるのがいいのか、外敵が多そうな箱の外に出してやるのがいいのか、ここは天然記念物に指定されているところですので、下手な手も出せず、神にお祈りして、そっとこの場を去ることにします。みなさん、ありがとうございました。

◆2013年7月23日

1307平伏沼のオタマジャクシ

このところ、福島県内各所では、大雨に見舞われるところが多くありました。でも平伏沼は、くやしいほどに平穏を保っていて、水の量も対して増えていません。そしてオタマジャクシたちも、いまだ足のない状態で発泡スチロールの中を泳いでいます。
オタマジャクシに足が生えるのは生後7週間ということですから、まだもう少しオタマジャクシのままなのかもしれませんね。

◆2013年7月18日

20130719平伏沼

このところ、ちょっとした雨が降って、ほんの、ほんの少し沼の水が復活してきました。といっても、オタマジャクシが気持ちよく泳ぐには、まだまだあやうい状態ですが。いまのうちに、沼をもう少し深く掘っておけばいいんじゃないかという気もしますが、天然記念物だから、そんなことはできないのかな?
発泡スチロールの箱の中のオタマジャクシは、それなりに元気に泳いでいます。新しい卵塊もひとつ確認しました。オタマジャクシには、まだ足は生えていません。

◆2013年6月27日

130627平伏沼のオタマ

発泡スチロールの箱に水を入れ、少し雨が降った翌日の平伏沼です。うまい具合に箱の中に落ちてくれればいいなぁと思いながら箱を配置していったのですが、うまい具合に落ちてくれたものがありました。箱の中では、ご覧のようにオタマジャクシは、元気に箱の中で泳いでいます。

130627落ちる寸前の卵塊

沼には、まだ落ちずに木の枝にしがみついている卵もいっぱいあります。これもそのひとつですが、写真を撮っているときにはちっとも気がつかなかったのですけれど、これはまるっきり人の顔ですね。けっこう鼻が高くて、美男顔です。
念のために付け加えておくと、目と鼻に見えるのは、卵の中ですでに動き始めているオタマジャクシです。
乾いた沼のあちこちに、白い発泡スチロールの箱が置かれている現在の平伏沼。あんまり美しいとはいえないのですが、未来を担うモリアオガエルが健康に育つためです。ちょっとがまんしてやってくださいね。

130627平伏沼なう

◆2013年6月26日

130626平伏沼の水差し

しとしと雨の中、平伏沼のモリアオガエルに水分補給をしてきました。といっても、平伏沼全体に水を満たすなどということは、残念ながらちょっとむずかしいです。せめて、卵が落ちる沼面に置いた発泡材の箱に水を満たして、うまいことこの中に卵が落ちてくれるようにお祈りしました。
投入した水は600リットル。沼畔までクルマが入ったりはできませんから、200メートルのホースを引いて水を入れましたが、じりじりさせられる作業でした。
沼全体に水を入れるとしたら、1週間くらいかかってしまうのかもしれません。
今日までがまんできずに落ちていたオタマジャクシもありましたが(4匹救助しました)、哀れ干からびていたオタマジャクシさんもいらっしゃいました。平伏沼で生き延びるのも、たいへんです。

130626平伏沼の水差し

◆2013年6月24日

130624干上がった平伏沼

川内村は、いいお天気です。それほど暑くもなく、もちろん寒くなく、風は心地よいです。でもそれは人間にとって快適ということで、カエルさんにとってはどうでしょうか。
卵塊の数は121個。ちょっと増えました。このうち4つが、すでに落下していました。でもおそらく、落ちた卵の主はそのまま干からびてしまったものと思われます。かわいそうだけど、どうしようもありません。バケツリレーで水でも汲んでこれればいいのですけれど。

130624オタマジャクシ

中にひとつ、木の上でなく、最初から石の影に卵を産み付けたカエルさんがいらっしゃいました。そこには、オタマジャクシの姿も見られました。このうち、どれくらいがちゃんとカエルさんになるでしょう?

130624落ちてしまったモリアオガエルの卵塊

これが、落ちてしまった卵です。卵塊が崩れしてしまって、中にさらに小さな卵(ちょうどイクラくらいの大きさです)が詰まっているのですね。こちらはこのままひからびてしまうのか、もしかしてこの中からオタマジャクシさんが現れてくるのか、さてどうなるでしょうか。

◆2013年6月21日

何度か雨が降り、隣町では大雨となったりもしましたが、平伏沼の水は、そんなに増えていません。今年はもう、水が少ないままカエルさんの生命力に頼るしかないのかもしれません。
卵は110個になりました。一部、卵が落ちているものもありました。声を忍ばせて平伏沼に潜んでいると、モリアオガエルがゲロゲロと鳴いている声が聞こえてきます。

130621平伏沼

◆2013年6月17日

2013年6月17日の平伏沼

15日土曜日は、大雨洪水警報が出ました。これで少しは沼に水が入るかと思いましたが、降っている時間が短かったのか、沼の水はそんなに増えませんでした。ひきつづき、今年のモリアオガエルの赤信号は続いています。
卵の数は88個(念のため申し添えますが、この数字ははつお計測で公式発表ではございません。多少数がちがってもごめんなさいね)でした。下の写真はもうすぐ湖面に落ちようとしている少し気が早い卵です。今湖面に落ちたら、下に水がありませんから、あわれそこでおしまいかと思われます。それも自然の厳しさなのかもしれません。私はこうやって湖面を見続けます。

2013年6月17日モリアオガエルの卵

◆2013年6月14日

2013年6月14日の平伏沼のカエルの卵

台風も梅雨も空振りです。沼の水は、いよいよなくなってしまいました。モリアオガエルも困ったのでしょう。ついに、水のある沼の真ん中の岩に卵を産み付けていました。残念、そこの沼の水も干上がってしまいました。

130614平伏沼の真ん中の岩に産み付けられた卵

それでも季節を迎えて、モリアオガエルの産卵は続いています。本日の産卵数は82個(はつお実測)。みんながみんな、元気にカエルになってくれるのを祈るばかりです。

130614干上がった沼面

干上がった沼面には、無数の足跡が残っていました。デリケートな時期ですから、どうぞ産卵するモリアオガエルの気持ちをくんでいただいて、そっと見守ってあげてください。

◆2013年6月7日

2013年6月7日の平伏沼

6月7日、梅雨の季節だというのに、雨がぜんぜん降りません。平伏沼は、急激に水が少なくなってきてしまいました。このままでは、せっかく産卵したモリアオガエルも、ちゃんと育ってくれるかどうかあやしいところです。
平伏沼は、水の入り込まない沼です。空からの恵がなければ、水はどんどん減っていきます。これも自然の試練なのかもしれません。
卵は、6つから10個に増えていました。

◆2013年6月4日

2013年6月4日の平伏沼

6月4日、ひっそりと産卵を開始しました。確認できたのはほんの数個です。大事に成長を見守ってください。真新しい卵で、おそらく前夜にでも産卵したのではないかと思われます。
平伏沼の放射線数値は、遊歩道入り口の駐車場で0.2μSv/h〜0.3μSv/h、平伏沼周辺で0.3μSv/h〜0.4μSv/hでした。

◆2013年5月13日

平伏沼定点観測2013年5月23日

カエルはまだ姿を見せません。声も聞こえません。5月は新緑がきれいです。

川内「調査釣行会」8月の部

2013年8月の釣行案内

 川内村は、水に生かされている村です。豊かで上質な水は、おいしい地下水となって村人の暮らしを守ってきました。
 そんな水が流れる、川内村の川。川内村は古くからいわなの棲む村として、釣り人に親しまれているところです。
 そんな川内村の釣り行楽が、震災以降、窮地にあります。一日も早く、昔のような釣りを楽しみたい人も多くいらっしゃいますが、今回はそんな将来を見据えての調査活動です。
 川内村の釣りを愛していただいたみなさんのご協力で開催です。

●5月25日〜5月26日、7月6日(土)〜7日(日)の開催に続き、8月24日におこないます。

(さらに…)

8月の観測釣行会
日時―8月24日(土)午前7:00
集合―「かわうちの湯」駐車場
参加費―無料
主催―木戸川漁協・川内村・川内村観光協会(連絡先 0240-38-2346)
協力―福島県で釣りを楽しむ会(連絡先 渡辺 080-3384-8801)
  ビラ作製・福島県で釣りを楽しむ会
前日からの宿泊(旅館、またはテント泊)を希望の方はご連絡下さい
参加・宿泊連絡先―渡辺(080-3384-8801)まで
獏原人村で開催されている「満月祭」(8月21日〜25日)参加者にも協力を呼びかけます。

木戸川の流れ

分蜂

分蜂中のニホンミツバチ

 これはたいへん貴重なシーンです。山の中にひっそりと暮らすニホンミツバチが、子孫を増やすために住み家を移動しようとしているところです。蜂の巣みたいに見えますが、蜂の巣ではありません。苦手な人もいるかもしれませんが、よく見てください。蜂の巣ではなく、蜂そのものです。

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 蜂は、女王蜂を中心に社会が構成されています。女王蜂の尻に敷かれたことはないので、どんなかかあなのかはわかりませんが、かかあでんかのようです。そのかかあにとって、重大なテーマは子孫を増やすことです。まわりにはべらせている雄蜂は、そのための道具にすぎないとも言えます(人間様に向かって、子孫を増やす道具なんて決めつけたら怒られるかもしれませんが)。
 で、女王蜂さまは、次の世代の女王候補である娘が育つと、のれん分けの準備をします。ここが不思議。ふつうのれん分けといえば弟子が店を出ていくものですが、蜂の場合は、娘が本家に残り、母親である女王様が旅に出られるのです。熟年離婚のようなものかもしれない、などといってはいけません。
 季節は春。4月から6月ごろにかけて、このお引っ越しは行われます。まず女王様に命令された偵察蜂が、手ごろな新居候補地を見つけてきます。そして一族揃って、いざゆかん、というわけです。写真は、今まさにお引っ越しに出かける寸前です。この集団の真ん中に、女王様は鎮座されています。
 そしてお引っ越しとなると、もしかしたらごらんになったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。空を真っ黒にするくらいの蜂たちの大移動になります。写真のようなカタマリのままでは飛べませんから、編隊飛行をするわけですが、それがたいへん壮観なシーンになるわけですね。
 というわけで、ニホンミツバチが子孫を増やすためには、こういうシーンは不可避なのではありますが、この分蜂のシーンは、あっという間に終わってしまうのです。蜂が引っ越しの準備を始めてから飛び立っていくまで、早ければ1時間かからないくらい、のんびりやっている蜂でも3時間はかからないでしょう。ですから山を歩いていてこんな分蜂シーンを見つけて、これはすごいとカメラを取りに帰っていたら、もう蜂たちはお引っ越ししたあと、ということになります。
 最近では、はちみつといえば外来種の蜜が多くなって、ニホンミツバチは、そもそもが貴重な蜂になりました。彼らが安心して子孫を増やすためには、こういう分蜂シーンを見かけたら、物陰からこっそり観察していてください。危険を察知すると、彼らは引っ越しをやめてしまい、子孫も途絶えてしまうかもしれませんからね。

むらさきツツジ

紫ツツジ遠景

地元ではむらさきツツジと呼ばれています。学名はトウゴクミツバツツジといいます。漢字で書くと「東国三葉躑躅」で、東国とは関東地方だそうです。川内村でこれが見られるのは、ごくわずかになってしまいました。

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ただいま5月9日ですが、ちょうど花が咲きました。今年は花が咲くのが数日早いようです。例年なら、5月の中旬が花の咲く季節となるのだと思います。
実は以前は、川内村にはこのむらさきツツジの大群落がありました。それはそれは見事なものでしたが、国有林であったためか、あの日きれいに刈り取られてしまい、大群落は消滅して現在に至っています。
南国に咲くゲンカイツツジに似た、とてもきれいな花なので、大事に育て、また観察してあげたいなと思っています。
群落ではないので、場所の特定もなかなかむずかしいです。山歩きをしていて、ふと発見できたらラッキーと思ってください。

紫ツツジ近景

山ウコギ発見

1305ウコギ

 山菜の仲間で、天ぷらにしたり、おひたしにしたりします。そこそこ高級山菜として取引されているのですが、村の人にとってはよくある山菜で、あんまり貴重な山菜として見てもらえないのがかわいそうです。

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 ウコギは、庭でも栽培ができるので、家庭菜園で育てている人も多くいます。もともとウコギは、凶作の際の最後の食料として栽培していたものだそうです。ウコギはとっても丈夫なので、あらゆる農作物がだめになってしまってもなお食料として育ってくれる。今、60歳以上の人は、そんな凶作に備えての時代を覚えているでしょうが、若い人はそういう備えを忘れてしまっているかもしれません。お米がとれなくても、外国から買ってくればいいわけですから!
 さて、そんな家庭菜園のウコギに対して、山で育ったウコギを山ウコギといいます。家庭菜園で珍しくないのと同じく、山でもそんなに珍しいものではないのですが、山でウコギを見つけるのは、これがなかなか至難です。うそだと思うなら、探してみてください。葉っぱに特徴がないから、そのへんの葉っぱと同じように見えてしまうのではないかと思います。
 このウコギ。非常食として名が知られるようになったのは、上杉鷹山の政策でした。凶作に備えて、その領内である米沢藩にウコギを植えさせ、飢饉から領民を作ったのでした。
 今、ウコギを貴重がって食べる人はあまりいなくなりました。お米が安定してとれるようになったということもあるのでしょうけど、山菜が少しずつ人々の暮らしから離れていったからかもしれません。もし山でウコギを見つけることができたら、ウコギと農民たちの歴史をちょっと思い描いてみてください。