川内村観光協会

冬のフジ

1403フジの冬

シデとモミにからまっているじゃまっけそうな木の枝みたいなもの、このからまっている木が、なにあろう、フジの木です。芸術的なからまり方だと思いませんか。

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山の持ち主からすると、ツルの植物はからまった木を枯らしてしまいますから、やっかいなだけであんまりいいところを見つけられない代物です。しかし野山を歩いて気持ちを透明にしたい我々からすると、こんなふうに山で生きているフジを見つけるのは、なんともいえない楽しみです。

1403フジの冬

てんぐす病に冒されて

1403てんぐす

てんぐす病とは、桜の木の枝を枯死させる病気で、これにかかると、小枝が竹ぼうきのようになってしまいます。なぜか、桜ばかりがてんぐす病にかかります。てんぐす病が、桜ばかりを狙ってウィルスを植え込んでいくわけではないようですが、結果として、なぜか桜ばかりがてんぐす病にかかります。病気になると樹勢が弱まり、見栄えが悪い、いいことはありません。

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対策は新芽が出る前にこの部分を切り取り、焼却するのが望ましい策とされています。この枝も切り取ればいいのですが、だいじょうぶかなぁ。
てんぐす病は、漢字で書くと天狗巣病です。病気になった枝の部分が、まるで天狗さまの巣のように見えるからだと思いますが、よく考えてみたら、天狗さまの巣を誰が見たことがあるのでしょうか? この病気、外国では「魔女のほうき」という意味で呼ばれるらしいですが、外国では、魔女のほうきを見たことがある人がいるのでしょうか?
ともあれ、桜には病気になることなく、長生きしてほしいものだと思います。

1403てんぐす

ムカデみたいなミツデです

130717ミツデ楓

ミツデカエデ、漢字で書くと三手楓になります。葉っぱが3枚セットになっていて、三手になっているからこの名前がついたものと思われますが、わたしとしては、カエデというところに注目してみたいです。日本全国に分布する木なのですが、川内村では、少なくとも私は、ここ以外では見つけられていません。

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130717ミツデ楓

この木、新芽は赤くて、まるでウルシが出たように見えるんです。これだけを見たら、わたしだったらカエデではなく、ウルシの仲間にしてしまうでしょう。葉の形もそういえばウルシに似ています。しかし花と実を見ると、これがカエデの仲間だというのもうなずけます。なんでも、最近ではカエデの仲間でなく、ムクロジ科という種族に属するとしているらしいです。学術的な話は、私にはよくわかりません。

130717ミツデ楓

見に行ったのがちょっと遅くて、花の時期は過ぎていました。そして実が実っていましたが、こんなのです。虫がいっぱいたかっているようで、びっくりですが、これがミツデカエデの正しい姿です。よーく見ると、三対ほどの実がついているのですが、おわかりでしょうか。三つでなく、もっと多かったりもするのですが、これが三手の名前の由来です。

こちらは、福島第一原発20km圏内の居住に制限のある地域ですが、放射線量を計測すると0.238μSv/hと、村内の20km圏外の地域と変わらない数値でした。20km圏内でも、いろいろです。

ホオノキ大好き

130704ホウノキ

ホウノキは、でっかい葉をつける植物です。自生している植物の中では、一番大きな葉をつけるのが、このホオノキでないかと思います。トチノキとどっちの葉が大きいかという議論になりそうですが、葉の大きさは葉っぱ1枚1枚ちがいますから、ホオノキに向かっては「あんたが一番」といい、トチノキに向かったときにはやっぱり「あんたが一番」といってあげようと思います。それだけ、葉はでっかいです。

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しかし私が好きなのは、葉っぱだけではありません。私にとってホオノキの魅力は、その実にあります。これぞホオノキの実力、なんていったりして。
葉っぱだけでなく、実も植物の中で最大級です。その長さは大きなもので15cmほどにもなりますが、ご覧ください、バナナそっくりではありませんか。7月中旬から果実をつけて、秋になるとこの実は赤くなって落ちていきます。
私のとても好きな木の実のひとつです。

130704ホウノキ全景

石の上にもせん年

1306石の上にも3年

いやいや、千年はたってないだろう、せいぜい250年じゃないかという話もありますが(私もそう思います)石の上にも三年というから、「せ」と「さ」は似たようなもんだと思って、いってまいりました。その名も千翁川の上流域でございます。なにが千年、いや250年かというと、木と石の物語です。

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森の木は(森でなくてもですが)種で増えます。種は秋ごろにそこらじゅうにばらまかれるのでが、珍しいことに、この種は岩の上におっこってきました。たいていは、そこで鳥に食べられたりして、木にならずに終わってしまうのがほとんどです。しかしこの種は、運がよかった。

おそらくそこが森の中で、日当たりが少し悪くて、適度に湿気があったというような、希有な条件が揃っていたのだと思います。種は石の上で芽を出し、根を張り、育っていったのです。石を掘るのは、ゴボウ根と呼ばれる大黒柱のような根っこです。ゴボウ根ではなければ直根ともいいます。ほんのちょっとずつ、ほんのちょっとずつ、石に穴を開けていきます。

岩をも砕くといいますが、やがて岩も砕けます。ゴボウ根が穴を開けているうち、水が入ってその水が凍って、ある日(いつごろかは聞かないでくださいね)ぱりっと割れたのではないかと思います。

そして今の姿になりました。ちなみに木はイヌシデです。川内村あたりではシデのことを全部まとめてソネの木なんていいます。岩を真っ二つに裂くように成長した姿が、なんとも美しいと思うのです。

岩を裂いて木が生長する、それはいくつもの条件が合わないと実現しないことではありますが、山を歩いていると、比較的そこここに見つけることができます。そのひとつひとつを見るたびに、はるか昔の日々の木と石の格闘の歴史をおもんばかることができます。森は、タイムマシンのようなところです。

老齢の赤松

13年4月上川内の赤松

 木も歳をとります。この赤松は、おそらく樹齢二百年ほど。山の中に、ひっそりと立っています。
 この赤松、中が空洞化しています。

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 こういう空洞は、木が高齢になったために起きることで、珍しいことではありません。人が歳をとって、耳が遠くなったり髪の毛が少なくなるのと同じことかもしれません。
 木の中心部はすっかり空洞になっていますが、木の重さを支えるのと生きるために必要な新陳代謝は木の表面部が担っています。だからこの木も、まだまだ生き続けられるはずです。
 こういう空洞化した木を野山で見かけることは、めったにありません。管理された山もそうでない山も、老齢の木は倒れたり倒されたりすることが多く、そのまま残っていることはほとんどないからです。
 この木を見つけたのは、野山のちょっとした尾根筋を見上げるあたり。植林地の頂上付近のこの赤松は、種木として残されていたものではないでしょうか。この赤松が飛ばした種で、何本もの子孫が育っていったことでしょう。

いのちの森づくりリレー植樹

2011年の川内村での植樹

昨年、帰村前の村でおこなわれた「いのちの森作りリレー植樹(毎日新聞社水と緑の地球環境本部主催)が、今年も川内村でおこなわれます。

9月17日に村内で。当日は毎年のように宮脇昭先生(横浜国立大学名誉教授)の指導のもとに植樹をおこなう他、植樹に参加した全員で「ふるさと」を歌い、後日全国10ヶ所のリレー植樹での合唱をつなぐ試みが企画されています。

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日時   9月17日(月)午前10時より
場所   川内村小学校西側
参加費  無料
服装   植樹出来る服装・軍手

このリレー植樹、今年のスケジュールは下記の通りです。

 1)茨城県つくば市の筑波山神社境内林(6月3日)
 2)青森県平内町の水ケ沢山国有林(7月15日)
 3)東京都世田谷区内の公園予定地(9月9日)
 4)福島県川内村の村有地(9月17日)
 5)青森県むつ市立奥内小学校(10月13日)
 6)宮城県南三陸町志津川地区(10月14日)
 7)北海道えりも町の襟裳岬百人浜(10月23日)
 8)静岡県掛川、袋井両市の統合新病院(10月27日)
 9)愛知県豊橋市の石巻山(11月18日)
 10)兵庫県神戸市長田区内(2013年月2月または3月を予定)

毎日新聞社水と緑の地球環境本部のサイト

皮切りの筑波山での植樹の際には、川内村からも何人かが参加「ふるさと」を歌っている様子が記録されています。サイトの「開催記録」をご覧ください。