老齢の赤松
木も歳をとります。この赤松は、おそらく樹齢二百年ほど。山の中に、ひっそりと立っています。
この赤松、中が空洞化しています。
こういう空洞は、木が高齢になったために起きることで、珍しいことではありません。人が歳をとって、耳が遠くなったり髪の毛が少なくなるのと同じことかもしれません。
木の中心部はすっかり空洞になっていますが、木の重さを支えるのと生きるために必要な新陳代謝は木の表面部が担っています。だからこの木も、まだまだ生き続けられるはずです。
こういう空洞化した木を野山で見かけることは、めったにありません。管理された山もそうでない山も、老齢の木は倒れたり倒されたりすることが多く、そのまま残っていることはほとんどないからです。
この木を見つけたのは、野山のちょっとした尾根筋を見上げるあたり。植林地の頂上付近のこの赤松は、種木として残されていたものではないでしょうか。この赤松が飛ばした種で、何本もの子孫が育っていったことでしょう。
緯度37.339677 経度140.791211