川内村観光協会

セイタカアワダチソウ

1312セイタカアワダチソウ

たぶんこの名前には、あんまりいい印象を持っていない人が多いと思います。セイタカアワダチソウ。背が高くて泡が立つ草。名前からして、あんまり上品な感じではありません。これが、日本中にぬくぬくと生息しているのです。

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もともとは北アメリカが原産の帰化植物ということです。そのセイタカアワダチソウがなんで日本にやってきたかについてはいくつかの説があるのですが、明治時代末期に鑑賞目的の園芸植物として持ち込まれたという説が濃厚となっています。
畑や田んぼを耕作しないで放っておくと、このセイタカアワダチソウやヤナギの類いがむくむくと育ってきて、田畑はすぐに荒れてしまいます。
やっかいな植物ですが、園芸用として日本で勢力を伸ばしてきたことでもわかるように、黄色い花が美しい植物でもあります。なんでも薬用の効果もあるという話もあって、ひょっとするとやっかいなばっかりでもないのかもしれませんが、田畑の多い村育ちのわたしとしては、やはりセイタカアワダチソウはやっかい植物として頭の中に定着しています。
日本の侵略的外来種ワークス100にも選ばれていますが、爆発的に繁殖した1970年頃に比べると、自分で自分を殺してしまう成分を出す植物でもあり、昨今の繁殖は落ち着いていて、日本の在来種と共存を始めたという説もあるようです。

美しきヤマゴケ

1312ヤマゴケ

近ごろ、コケはなかなか人気の植物のようで、都会の屋上の緑化に利用されたり、また植物の水もちをよくするためなどに利用されています。
そしてこれは、川内村のヤマゴケです。

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ヤマゴケは、とってもステキな丸い形になってくれて、盆景や庭園に欠かせない素材ですが、赤松の生えている山に多いコケになります。ないしょの話ですが、このコケが生えている山は、みなさんがよだれを垂らしてほしがるであろう、マツタケが出る山が多いんです。そういわれると、みんなこのかわいい草をコケにしなくなるにちがいないですね。

1312ヤマゴケ

オオバタネツケバナの香り

1312オオバタケツケバナ

清流に育つ水草がオオバタネツケバナです。刺し身のツマなどでみなさんの目に触れることも少なくないと思うのですが、このあたりでは意外にその存在は知られていませんし、あんまり食べる人もいないのではないかと思われます。
四国地方では、その名をていれぎなどというようですが、それもまた、このあたりのみなさんには知られていないと思います。

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クレソンというとご存知の方は多いと思います。クレソンは別名で、正しくはオランダガラシというんですね。このクレソンよりこちらのオオバタネツケバナの方が香りが強く、生で食べるのが一番おいしいとわたしは思います。
おひたし、生食、天ぷら、炒めものとなんでもござれ。四国松山では、こんな有能な草を大事にしていて、松山が故郷である歌人、かの正岡子規もこんな句を残しています。

秋風や 高井のていれぎ 三津の鯛 

いざとなったらウコギを食おう

1312ウコギ

トゲトゲの植物であります。これ、なんだか知ってますか? これを見ただけだとあんまりそそられないかもしれませんが、これがあるだけで命が助かるとなったら、あなたの見る目も変わってくるのではないでしょうか。

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昔々、米沢藩9代藩主に、上杉鷹山公(うえすぎようざん)というお方があらせられました。この殿様、公娼を廃止したり「なせばなるなさねばならぬなにごとも」との言葉を残したりした、、後世にその名が残るえらい方なのですが、ウコギもまた、上杉鷹山公によって戦国時代の歴史に名を残すことになります。そうそう、このとげとげは、ウコギです。
ウコギは、春から初夏にでる新芽がおいしく、おひたしや天ぷら、ご飯などにおいしく利用されています。そのウコギが冬を迎えると、こんな姿になるわけですが、上杉鷹山公とウコギの関係は、江戸時代中期の天明の大飢饉の際に築かれます。鷹山は飢饉に向けて数々の改革を進めていったのですか、そのひとつが、家々の生垣をウコギで作らせるというものでした。平時は生垣、飢饉の時にはウコギを食べて飢えをしのごうという作戦です。作戦は見事に当たり、鷹山とウコギは、一躍男とウコギをあげたのでした。
ウコギをはじめ、こういった非常時に頼りになる植物を救荒植物といいます。荒れた時代を救う植物という意味でしょうが、なんだかジャンヌ・ダルクのようなヒーローみたいな響きです。ウコギがヒーローなのかヒロインなのか(念のため、ジャンヌ・ダルクは女の方です)わかりませんが、願わくばウコギのお世話にならずに暮らし続けられることを祈りつつ、万一に備えるのが昔のひとの教えというものなのでありましょう。

1312ウコギ

キツツキのお仕事

1305キツツキの仕事

キツツキってのがいます。啄木鳥と書くんですが、啄木鳥と書いてキツツキと読むのは無理があるような気がします。木つつきはなるほどと思える名前だと思いますけど、漢字になると難しいです。

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啄木鳥って、石川啄木が発見して自分の名前をつけたのかと思ったのですが、どうもそういうことではなくて、読んで字のごとく「木を啄む(ついばむ)鳥」なんだそうです。だったら啄木鳥ではなくて木啄鳥と書いたらよさそうなものですけど、いやいや、昔の人が決めたことですから、すなおにそう思うことにいたします。
さて、キツツキの話をしましたが、キツツキの姿を写真に撮ってこれたわけではありません。鳥ってやつは、見つけてカメラを構えている間に、もうどっかに飛んでってしまうか、物陰に姿を隠してしまう。逃げ隠れが上手なやつです。
でも、キツツキがお食事をしたあととか、キツツキのお食事中の音を聞くのは、山を歩いているとわりとよくあります。コンコンコンコン!と、初めて聞く人はちょっとびっくりするみたいですけど、キツツキが木をつついている音です。
なんで木をつつくのかって? キツツキはちょっと腐りかけた木を見つけるのがとても上手です。そして木の中に巣くっている虫を食べるんですね。虫にしたら、突然空襲に襲われて機銃掃射されたような気分かもしれませんが、これもまた、自然界の運命というやつです。
ちなみに石川啄木とキツツキについては、こんな考察を見つけました。NHK盛岡放送局のサイトです。なかなかおもしろいことが書いてあります。

「ニュースのはてな(平成25年4月30日(火)放送)」

サルトリイバラ

1312サルトリイバラ

下川内の五社山八幡神社に登ってきました。参道で見つけたのがこちらです。サルトリイバラと申します。サルトビサスケではございません。

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ごらんのように、とげがいっぱいある植物です。おそらく、このとげには、人も鳥もサルもひっかかって、悩まされたことでしょう。その名前は、そのときの悪い思い出があるサルがつけたのにちがいありません。
その一方、サルトリイバラは花屋さんでよく見る植物でもあります。この季節、サルトリイバラは赤い実をつけますから、それを生花とかドライフラワーに使うんですね。
直売所で売っているのを見たり、会社の受付に飾ってあったり、とってもステキな色合いです。
このバラ、別名をサンキライといいます。サンキライという名前のほうが、きれいなお花の好きな人にはよく知られているかもしれません。漢字で書くと「山帰来」です。山嫌いじゃないですからね。サンキライ、いい名前だと思います。

リスの巣作り

1312リスにやられた杉の木

杉の皮が、かわいそうにすっかりはがされてしまっています。誰だ、こんなことをしたのは!と怒りたくなる光景ですが、実はこれ、リスの仕業なんです。

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1312リスにやられた杉の木

日本の家は土と木でできているといわれます。童話の「3匹の子豚」は豚の兄弟の長男はわらで家を作り、次男は木で作り、三男がレンガで家を作ってオオカミの追撃から逃れたというストーリーですが、リスの場合、その材料は杉の皮のようです。
山の杉が、こんなふうにはがされているのを見ることがあったら、それはリスが犯人だと思ってまちがいないと思います。もっともリスも逮捕されるのはいやらしくて、犯行現場を目撃されることはほとんどないということです。

救いの神のリョウブの実

1312リョウブ

リョウブといいます。そんなに珍しい草木ではないようですが、これがばかにしてはいけません。いよいよになったら、リョウブに助けてもらって生きながらえるのです。

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リョウブの木は、肌がきれいです。なので皮をむかずに、そのまま床の間に飾られたりもします。床の間に飾っても長生きできるわけではないと思いますが、リョウブがありがたいのはここからです。
リョウブの若葉は山菜として食べられるものですが、昔々、まだひとびとが貧しかったころ、不幸にして飢饉などに襲われると、みな、このリョウブを食べて飢えをしのいだものなのでした。
救荒植物というんですが、特急や急行ではなくて救荒です。生活のすべてが鈍行だった時代は、貧しかったけれども、豊かな知恵があふれていたようにも思います。

容赦ない毒、ヨウシュヤマゴボウ

1310ヨウシュヤマゴボウ

スーパーマーケットや八百屋さんではヤマゴボウなる山菜が販売されていますが、それの親戚のような名前がついています。ヨウシュとついているのは、洋酒ではなくて洋種という意味なのですが、ヤマゴボウとは親戚関係もなにもない、まったくの赤の他人です。そしてこれは、毒草なのです。

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漢字で書くと、ヨウシュヤマゴボウは洋種山牛蒡ですが、別名をアメリカヤマゴボウとも言います。その名の通り、アメリカからやってきた外来種です。日本に入ってきたのは明治時代初期ということですから、外来種でも年季が入っています。そして今では、すっかり雑草化して根付いてしまっています。
ヨウシュヤマゴボウの実は、なんだか一見食べたらおいしそうですが、しかし危険。実も毒、茎も毒、葉も毒、根も毒と堂々とした毒草です。中でも種は、一番毒性が強いらしいので、ブルーベリーかなんかと勘違いして食べてしまうとたいへんなことになります。最悪、死んでしまう毒草ですから、気をつけてください。さわるだけでもやめたほうがいいです。
下の写真は、わたしの影がバッチリ写っています。ヨウシュヤマゴボウの毒性にびくびくしていて、影が画面に入っているのに気がつかなかった、わけではないんですけどね。

1310ヨウシュヤマゴボウ

ホの字の木

1311ホの字の木

みなさんにお聞きしたい。これはいったんなんなのでしょう? 我が川内村に宇宙人がやってきて、なにかの目印をつけていったものでしょうか? はてさて?
このあたりは国有地なので、おそらくは「この木は切らないで残しますよー、保護しておいてくださいねー」の保護のホではないかと思うのですが、相手が宇宙人だとこんなに簡単に決着はつきません。
わたしは川内村の自然の野山にぞっこんですが、もしかすると、木のほうもわたしに気が合ってホの字なのかもしれません。そういえば、山に入ってからずっと、愛を感じるなぁとは思っていたのです。
あ、でもあなたが木にほれてしまったからといって、森の木にペンキでいたずら書きなんかしないでくださいね。ホっとけなくなりますからー