白雲木の行列
白雲木と書いて、ハクウンボクと読みます。当地では、6月初旬から6月下旬にかけて花をつけますが、今辞典を見たら、5月からの花、ということになってます。やっぱり当地はちょっと寒いのかもしれません。
白雲木と書いて、ハクウンボクと読みます。当地では、6月初旬から6月下旬にかけて花をつけますが、今辞典を見たら、5月からの花、ということになってます。やっぱり当地はちょっと寒いのかもしれません。
蟒蛇草と書いてウワバミソウと読むんだそうですが、ウワバミって、大蛇のことです。なんだか不気味です。でもこれが、立派な山菜なのです。世の中、わからないものです。
そういえば、大酒呑みのこともウワバミなどといいますが、このウワバミソウはいったいどんなゆえんでこんな名前になったのでしょう? 私はヤマタノオロチを見たことはないので、ウワバミソウがウワバミに似ているかどうかは判断がつきません。
しかし、どことなく気持ち悪いという感じは持っています。市場などでは、歯とひげ根ををとった状態で束ねて売ってます。でもこれが、なんだか気持ち悪い。売ってる人に怒られそうですが、ミミズのでっかいのが束ねられているみたいです。
葉っぱはご覧の通り、ぎざぎざで先端がちょっと伸びています。花もまぁかわいいのです。しかもこのウワバミソウ、食べればおいしい。しかも薬用植物です。良薬は口に苦しといいますが、良薬は口にもおいしい。しかし、私は店頭に並んでいるウワバミソウの姿の印象が強すぎて、どうも苦手です。私にも苦手なものもあるのです。
村のあちこちにあって、それほど珍しい花ではありませんが、私の好きな花のひとつです。都会に行くと、庭にこの花を植えてある家を見かけますが、村ではそういう光景はまず見かけません。村ではこの花のことを知っているのは私だけなのだと思うと、少しうきうきします。私が思っているだけかもしれませんが。
カズラというその名の通り、つる性の植物です。漢字で書くと吸い葛。葛そのものが木に吸い付くのに、ずいぶんと念押しをされた名前ですが、砂糖が珍しかった時代、子どもたちはこのカズラを吸って、蜜の甘味を楽しんだことから、吸い葛の名前がついたという説もあります。学名はLonicera japonicaといいますから、日本のスイカズラは諸外国のそれとはすこしちがうようです。英語ではJapanese honey suckleで、蜜が多い花の様子を表しています。
別名を忍冬といいます。これも読んで字の如く、寒い冬を耐え忍んでいる様を表現したものです。スイカズラを忍冬と呼ぶことから、忍冬と書いてスイカズラと読む人もいますが、これはさすがに無理があると思います。でもそう読ませてしまうところに、日本の野山の懐の深さがあるのかもしれません。
さて、私が好きな別名は金銀花です。花唇ははじめ白く、徐々に黄色くなっていきます。これを表したのが金銀花という名前です。白から黄色ではなく、銀から金。見事に出世しています。こんな花を眺めながら暮らしたら、ちょっと気持ち豊かになれそうです。
おや、このコナラの枝にぶらさがっているのは、リンゴではありませんか。さては遺伝子でも組み換えられてコナラがリンゴを生んでしまったかと思ってしまった方はいらっしゃい増せんか。残念でした。これはコナラメリンゴフシというものだったのです。
リンゴではなく、主人公はタマバチです。タマバチが、コナラの枝に巣を作ったものが、このコナラメリンゴフシです。中には幼虫が入っていて、大きくなるまでコナラに居候をした状態で暮らしています。この巣は、ただ幼虫が棲んでるだけではありません。食料倉庫も兼ねています。食料倉庫というか、餌はコナラの葉っぱでして、つまり食料をベースに巣を作っているわけです。おかげで親は、このコナラメリンゴフシを作るまでが子育てになります。子離れが早いです。
このリンゴ、直径は2.5cmくらいです。大きさが知られてしまったら、ちょっとリンゴには見えないかもしれませんが、コナラ・メリンゴという名前を付けたのはわたしではなく、先代の学者さんです。おまちがいなく。大きさを知らなければ、リンゴそっくりに見えませんか? タマバチが、リンゴの存在を知っていたのかどうかは、わかりません。
これは、平伏沼周辺の国有地で見かけました。
銀の竜の草と書きますが、ギンリョウソウと読みます。ギンリュウソウではないところが不思議ですが、そういうことになっています。真っ白くて、なにやらお化けみたいです。そのとおり、ユウレイタケなんて別名もついてます。タケとは茸の意味でしょうけれど、これはキノコではなく、植物です。
草のくせに緑色でない、なので光合成をしません。自分が生きるための栄養は、ほかの植物に寄生することで得ています。コナラなどに共生するベニタケから養分をもらうことが多く、これを見つければ近くにベニタケがいるかも、という目印にもなります。
透き通るような白色ですが、採取してしまうとどんどん黒くなってしまいますから、そっと見守ってあげてください。
ミノムシ。大きくなると蛾に生まれ変わります。蓑をまとうように自分を守ってくれる要塞に隠れて成長します。だけど、ときどき顔を出して、世間の様子をうかがうわけですね。まずは、蓑にひきこもっているミノムシさん。中にいるんだかいないんだかも、わかりません。
ニッコウキスゲで名前が通っていますが、この花、出るところに出るとたいへんな人気です。なんでも尾瀬とか日光あたりには、この花にかこまれて一時を過ごしてみたい乙女の皆さんが殺到するそうですが、川内村の場合、この可憐な花に心をときめかせているのは、本日のところは私一人でした。
こちらは川内村からは遠い熊本県のくまモンくんですが、ただいま川内村では、熊の目撃情報があいついでおります。熊本県のくまモンくんはごらんの通りかわいい(そしてちょっと間の抜けた)風体をしていますが、ホンモノの熊はこんなものじゃない予定ですので、充分にお気をつけください。
もともと、川内村での熊の目撃情報はごくわずかで、この界隈には熊の生息はないのではないかと言われてもいました。しかしそれだけに、熊に対して無防備だともいえるかもしれません。
目撃情報は主に上川内周辺となっていますが、熊の行動範囲を考えれば、村のどこかで目撃されたら、村全体が危険区域と考えたほうがいいのかもしれません。
もし村内外の方で、村の山に入られる必要がある方は、どうぞいつ熊が現れてもいいように、充分にお気をつけください。音の出るものの携行が効果的と言われています。
どうぞ、安全に川内村をお楽しみくださいますよう、お願い申し上げます。
ちなみに、川内村の愛すべきキャラクターといえばカエルです。こちらも、熊本県のくまモンくんと同じく、どうぞよろしくお願いします。
千翁川は、川内村の数ある美しい川の中でも、特に美しい川です。水の流れも美しいし、点在する石の数々もおもむきがあります。ここにたたずんでいると、きっと誰でも心洗われる経験ができるのではないでしょうか。そしてそんなところだから、棲んでいる生き物がいます。
それはイワナです。
イワナは幻の魚と言われていますが、川内村にいると、幻でもなんでもなく、そこここに生息しています。私などは、日常的にイワナと朝晩の挨拶をするほどです。
しかしここのイワナは、そんじょそこらのイワナとはちょっとちがう。でっかいのです。その大イワナが、この滝つぼに住んでいます。この写真の中心の滝つぼです。このあたりでは、40cmをこえるイワナが釣れたこともあるといいますから、驚きです。こういった滝つぼは、イワナにとっては絶好の隠れ家であり、えさ場になります。だからこのあたりに棲むイワナは、特に大きく育つことができるのでしょう。
写真は2013年3月に撮影しました。ちなみに、私がイワナと毎日挨拶しているというのは、ウソでございます。