川内村観光協会

原の馬頭観世音堂

馬産地川内には、108基の「馬頭尊」の石塔を確認している。
馬が不慮の災難にあった場所や、自分の家で大切にしていた馬が死んだ時に、供養のために建てられることが多い。
高田島の後谷地には、昭和34(1959)年に造立された馬頭尊の石塔がある。これは、軍馬に徴用された馬の供養のために、後になって建てたものだという。
上川内の早渡には、国有種馬種付畜主一同が造立した「馬頭観世音」がある。この辺一帯は牧草地で、種付場があったので建てたという。小安川の馬頭尊のある所では、必ず馬が転んだ場所なので、俗称「駒ころばし」といわれる。
このように、いわくつきの場所には必ずと言ってよい程、馬の供養塔が建てられたのである。

上川内原の馬頭観世音堂

国見太子堂

遠上・中島・迎原で祀っている太子堂の祭礼は、旧暦4月1日と8月1日である。
聖徳太子は手作業の神様といわれ、針供養には裁縫をやっている人たちが着物の褄を作ってきて、お堂に飾ったものである。組内の人たちは重箱を持ち寄って、酒も一升くらいづつ持ってきたものである。昔は、川内村全体の人が一日休んでお参りにきたものであった。今でも裁縫を習っている人たちは、参拝に来るようである。
祭りには長福寺の和尚がきて、一緒に経文を唱えながら輪座になって数珠回しをする。これをやると、病気にならないと言われた。具合の悪い人など、旗をあげて祈願をした。今でも、裁縫を習っているような人は参拝に来る。

古内トミ氏は、「御縁日は旧の4月1日と8月1日で、御縁日とは別に旧暦の2月8日には針供養を行った。昔は針仕事をしたので、折れたり曲がったりした針を豆腐にさして、太師様に供えた。その時は、村いっぱいの人が集まって自分が作った雛形をお供えしたものです」と言っている。

上川内の国見太子堂