川内村観光協会

クモをつかむようなハチ

1307オオシロフベッコウ

これは大発見。オオシロフベッコウがコガネクモを運んでいるシーンに出会いました。はつお、大喜びです。このクモ、別名を狩りクモといいます。大好物が、クモさんです。

1307オオシロフベッコウ

オオシロフベッコウというのは、背中に(おなかに、と書いてある文献もあります。どっちがおなかでどっちが背中なんでしょう?)白紋があるからこういう名前なんだそうです。フというのが紋のことなんですね。ベッコウというのは艶があるという意味ですが、ふつうのハチは艶がないのが多いんですね。
という名前の話はさておき、ねらうのは、クモばかり。クモさんばかりねらいうちです。クモは自分をねらいにくる昆虫から身を守るために、粘り気のある糸でクモの巣を作っています。しかしオオシロフベッコウはそんなことにはめげません。口から油を分泌して、自分の体に塗りたくって、それからクモ狩りにでかけます。オオシロベッコウの分泌物はこれが不思議、クモの巣にからまれてもくっつかず。自由自在に動き回れるので、クモの巣の防御性能にアグラをかいている主は、あっさりとオオシロフベッコウに刺されてしまいます。
針を刺して殺すのではなく、麻酔をかけて仮死状態にしておいて、それからせっせせっせと自分の巣に運びます。なんとこの麻酔は、3週間くらいも効果を持続するのです。すごいですねー。オオシロフベッコウは巣に運んだ動けなくなったクモに卵を産み付けます。ふ化したハチの幼虫は、クモの体液を吸って大きくなるというしくみです。新鮮な体液を得るために、クモを殺さず、生きたまま持ち帰るという、なんとも残酷なハチですが、これもまた自然界のしくみなのですね。
体液を吸われてしまったクモは、最後にはすっかり干からびてしまうと思うのですが、干からびてしまったクモはハチの巣の中にあるわけで、わたしは残念ながら、いまだオオシロフベッコウのハチの巣を見たことがありません。このハチは、土の中に穴を掘って巣を作るので、なかなか見つけられません。
ちなみに、オオシロフベッコウには申し訳ないですが、この村の古老たちは、このハチのことを便所バチといいます。失礼な古老たちだなぁと思いつつ、わたしも便所バチと呼んでいましたが、村の便所は母屋から離れて外に建っていることが多かったですから、そういうところにはクモも多かったのかもしれません。便所バチも根拠があったのだと思いますが、古老には、便所バチのいわれは聞かないでしまいました。
ともあれ、クモにはお気の毒ですが、貴重なシーンを見られて、わたしは大喜びです。

1307オオシロフベッコウ

巣にコガネクモを運ぶオオシロフベッコウ。ここらへんで見失ってしまいました

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