川内村観光協会

久保の林の祠

聖地は、宗教的に、あるいは伝承的に禁忌とされた土地を言う。社寺の斎場も、霊山も聖地である。聖地には特定の田畑や屋敷、丘や峠・滝などがあるが、上川内には「林の間地」がある。間地は町・街・坊などと同義語で、屋敷の中の一区画をいう。聖地には、中世の修験者によって新たに選定されたり、占有されたものがある。この「林の間地」もその例に洩れず、元亨元(1321)年に、本山派の熊野を修行場としたであろう林蔵院浮仙という修験者が、常陸国車の城立小山より、当村の上川内久保地内に熊野権現を勧請したのが始まりと伝える。後には、三渡神社・稲荷神社・若木神社など、近隣の屋敷神が祀られるようになった。

上川内久保の林の祠