川内村観光協会

中学校と消防の絆

1312中学校の寮

川内村には村立の小学校と中学校があります。震災後1年間は村外で学習していたそれぞれの学校ですが、震災1年にして村に戻り、以前よりはだいぶ生徒が少なくなってしまったのですが、それでもみんな元気に学校に通って、すくすくと育っています。
ところで川内中学校には、寄宿舎があるのです。この寄宿舎、村の周辺部にお住まいの、そこそこ妙齢の諸先輩方の中には、お世話になった思いのある方もいらっしゃると思います。

今は、小学校も中学校も、村の全域にスクールバスが出て、子どもたちはほとんどドアからドアで快適に通学していますが、その昔は、みんな歩いたり自転車に乗ったりして通学していました。小学校は3つあったので、それでも通学距離はまだそれほどでもなかったのですが(といっても、今となっては歩く気にならない距離です)、村に一校の中学校となるとたいへんです。村の端から端まで車で走ると、1時間弱はかかるという広い村です。中学生にはとうぜん車の運転はできませんから、歩いたり自転車で通います。川内村はどこへいくのも山を越えていきますから、中学生も山を越える峠道を通います。それはなかなかの体力トレーニングになりました。
しかし冬場になれば、さすがに通うのはきつい地域のひともでてきます。そんな子どもたちのために、冬季の寄宿舎が用意されていました。同じ村内とはいえ、親元を離れ寄宿舎で生活する中学生。その時代のみなさんがたくましいのは、そんな背景もあるのかなと思ったりします。
もちろん今では、周辺地域の子どももすぐそこの子どもも、みんなスクールバスです。通学時の安全が第一ですが、往時の寄宿舎も、ちょっと懐かしい気がします。ちなみにわたしは川内中学校の卒業生ですが、通える距離に家があったので、寄宿舎暮らしの経験はありませんでした。当時は正直なところ、よかったと思ったりしていましたが、今思えば、ちょっと寄宿舎暮らしを経験しておくのも悪くなかったかなと思います。
さてその寄宿舎ですが、今は消防署の職員宿舎として利用されています。原発事故の影響で、富岡や浪江の消防署が使えなくなっています。そこにあった消防署は、そっくりそのまま川内村の出張所に移ってきていて、そこで働く職員の数も震災以前より多くなっています。
双葉郡を守る広域消防のみなさんの拠点、それが川内村であり、みなさんの衣食住は、かつて村の中学生の暮らしの場だったところなのです。

1312中学校の寮

緯度37.33140600697898 経度140.8146858215332

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