川内村観光協会

民話・坂シ内の地蔵さん

1402地蔵

川内村には信号が二つあります。上川内と下川内に一つずつ。今日は、下川内の信号のすぐ横にある、お地蔵さんにまつわる民話をご紹介します。坂シ内とは「サカシウチ」と読み、この信号のあたりの地名です。

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昔々、下川内の坂シ内というところで、ばんかだに大火事がおきたんだど。その時、赤い着物を着た子どもが屋根から屋根に飛び越えて、火の粉を消したんだど。それで、2軒だけ焼け残ったんだど。
それで、火伏の地蔵様として、まつるようになったんだど。

1402地蔵

坂シ内は、下川内の住宅密集地です。大火事ともなれば、なかなか大きな災害になったであろうと思われます。お話ができたのがいつのことなのだかはよくわかりません。だいたい240年から250前ではないかとわたしは思っているのですが、残った2軒がどこの家とどこの家だったのか、なんていまさら詮索してはいけません。
ちなみに「ばんかだ」とは夕方のことです。漢字で書くと夕方ならぬ晩方なのでしょう。
このお地蔵さん、大事に屋根に守られていますが、大きく傾いて見えます。もともとお地蔵さんには屋根などつけてもらえないものでした。近年になって、屋根をつけてあげようということになった際に民家の屋根をさけて作ったために、こんなふうに芸術的な屋根になってしまったのではないかと思います。
今回の大雪で屋根が崩れたりしたところも少なくないのですが、こちらのお地蔵さんの屋根はもともとこの形です。余談でありました。