トチの実はいかにしてトチモチに
これ、なんだかわかりますか? テニスボールがなっているわけじゃありません。これはトチの実です。
この実を割ると、中に黒い種が入っています。なんというか、クルミそっくりなんでありますが、この種が、トチモチの原材料になります。
この実は、古代から食用として親しまれてきたということです。しかしいったい、この実が食べられるなどと、いったい誰が発見したのでしょう? 古代人というのはすごい人たちだなと思います。
そのまま食べたのでは渋くて渋くて、とても食べられない。長い時間あく抜きをして、もち米に混ぜて、それで初めておいしいトチモチになります。
わたしらは、そんな食べ方をばあちゃんから教えてもらえますが、初めてトチの実を食べようと思った古代人は教えてくれる人がいないわけですから、さぞたいへんだったと思います。
なんだか、そんな古代人に会ってみたくなりました。存分にあく抜きをしなければ食べられないトチの実は、たいへんにアクが強い果実ですが、トチの実を初めて食べた古代人も、もしかしたらアクが強いやつだったのかもしれません。