川内村観光協会

川内村の亀甲石

130628亀甲石

わたしは、なにを隠そう、石マニアです。そんなわたしが本日お勧めするのが、亀甲石であります。川内村に住んでうん十年、川内村にも、こんな石があっただなんて、ちっとも知りませんでした。はつお感激の石物語です。

130628亀甲石

亀甲石とは、読んで字のごとし、亀の甲羅のような見た目が特徴の石です。石の石灰質の部分が、雨水などの作用によって溶けるなどして、こんな模様をつくるっているわけですが、溶けるといっても、2年や3年のことではありません。おそらく亀甲石は、地球が生まれたときからずっと、作られ続けているのだと思います。こういう気が長い自然の時間の感覚が、わたしにはたいへん貴重なものに思えます。
わたしと亀甲石との最初の子どもの頃、石についてかかれた本などを読みあさりながら、こんな石があるものなのかと興奮したのを覚えています。ホンモノの亀甲石は、群馬県上野村などに天然記念物とされているものもあるのですが、わたしとホンモノの亀甲石との出会いは、石屋さんの店頭でした。美しい亀甲石が並んでいるのを見つけて、がまんができずに買ってしまいました。安くないのです。うん十万円の言い値を半分くらいに負けてもらって、何万円かをお支払いして、喜んで持って帰ったまではよかったのですが、入れてもらった袋が石の重みに耐えかねて破け、うちに着くまでに大切な亀甲石を落としてしまいました。あわれうん万円の亀甲石はいくつかに割れてしまい、わたしは泣くに泣けない悔しい思いを体験したものであります。とても、ひとつ買ったのにふたつになって倍に増えたと喜べる心境ではありません。
それからまた何年もたって、川内村の名所をめぐるようになりました。といっても、最初の仕事はゴミ拾いだったり、薮払いだったりです。なにかおもしろいものがあるのではないかと、薮を払い、笹藪を刈って、ゴミを拾っていくわけです。

130628ゴミの片づけ

と、あるではないですか! 亀甲石。「あー!」とわたしは叫んでしまいました。誰も聞いてはいなかったと思いますが、思わず声に出てしまいました。
亀甲石は、石の材質、石が置かれた環境などでできあがりますから、ひとつ見つけたら、その周囲にはいくつか発見できる可能性があります。それで探してみたら、3つほどの亀甲石を発見することができました。実はもっと多いのかもしれません。
太古の昔から現代に届けられた不思議な模様の石、それは自然の中に溶け込んでいると、私の宝物になり損ねたうん万円の亀甲石より、ずっと尊厳があって、美しいような気がします。

緯度37.32898 経度140.771291

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