川内村観光協会

川内村の昔話  「カニのふんどし」

かにのふんどし
 ざっと、昔、ある所で縁談ばなしがあったんだって。むこさん予定の人に、親戚の人が向こうは、カニにの吸い物でっとこなんだ。カニ食う時はふんどし、とって食うもんなんだ。それから、御指南様(仲人)と顔みせに向こうにいったんだと。そしたら、カニの吸い物でたんだと。むこさんは、はかまから、ふんどしをとって、お膳に丸めてご馳走になったと。向こうの親戚の人があんなのに、嫁くっちゃら、末が案じられる。それを聞いた御指南様、居ても立っても居られかったど。そのうち、向こうの親戚の人に御指南様ちょっと来てくんちぇ。なんだべ、あのかっこうは、言われたんだと。御指南様は、おらほうでは、カニ食う時は、ふんだしとって、食うとこなんだ。ほの次、御指南様、親戚の人達に言った。向こうの親戚の人達が来たら、ふんどしをとって、食ってくんちぇ。そして、結納の日がやって来たんじゃ。親戚の男の人達、ふんどしをとって、カニを食ったんだって。それを見て向こうの親戚の人達、安心したど。それから、夫婦仲良く暮らしたんだと。

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