川内村観光協会

幽霊沢

幽霊沢
 今年の春、フリーペーパーに福島県の方言、民話の会、受講生募集と言うのを見つけこの会の講習会を受けることにしました。現在会員になっておりまして、これを機に、川内村にはどんな民話
があるのか調べて見ることにしました。まず、村史に載っているもの、あるいは過去に川内の昔話の採集をしに来た人びとなどを。昭和11年(1936年)四国の武田明氏と言う方が来村し採集したことが「日本昔話集成」に双葉郡と題して載っていること、載っているほとんどが、川内のことであること、昭和57年(1982年)には、千葉大学日本文化研究会民話分科会のメンバーが来村し100話程を採集したこと、また、「河童火やろう」石川純一郎氏の話は川内村のことであること、がわかりました。こんにち、川内村では昔話の伝承を失ってしまいました。そこで、時々「はつおが行く」で取り上げてみようと思います。
 今日は、「幽霊沢」のお話しを紹介します
ざっと昔だげんちょ、下川内の割山峠の橋がかかっているところを幽霊橋と言うんだって、ある、馬車ひきの家の近くの家で体の具合が悪い女の人がいて、富岡の医者から薬もらってきてくんちぇと。ほんで富岡へ行って馬車の荷物おろして、医者から薬もらって、夜遅く割山峠の橋の所にさしかかったら、馬がフーフー言って、四つ足踏んで動かなくなったんだって。なんだこの野郎と思ったら、何か後ろに気配を感じたんだと。振り返って見たら、姉さんかぶりをした女が馬車の上に座っているんだと、ゾッとして馬のけつをはたいて、いそいで家に帰ったんだって、そしたら、どこそこの女が今、亡くなったとこだって。ほんでは、薬を頼んだ女が幽霊になって出た!んだ。そんなことが前にもこの橋でたびたびあったんだ。って。終わり。

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